血圧

3. 血圧値で知る低血圧

血圧
監修

浅山 敬 先生
帝京大学 医学部 医学科 衛生学公衆衛生学講座 教授

低血圧の基準は?

低血圧の厳密な基準はありません。一般的な目安は収縮期血圧が90~100mmHg未満のケースですが、病院や医師によって目安はまちまちです。

本態性低血圧

原因不明の低血圧を「本態性(ほんたいせい)低血圧」あるいは「一次性低血圧」といいます。体質的なものが多く、本人の生活に支障がなければ病気とはいえません。ただし、通学や通勤の妨げになるほど朝に弱い、疲労感が強いなどの自覚症状があって、低血圧以外に原因が見当たらないときは治療が行われることもあります。

起立性低血圧

急に立ち上がったときや身体を動かしたときに立ちくらみが生じ、動作の前後で一過性に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下するケースを「起立性低血圧」といいます。自律神経系の乱れが原因のほか、糖尿病や内分泌疾患などが隠れていることもあるので注意が必要です。対処法としては、腰のベルトを少しきつめにしめる、弾性ストッキングをはいて血圧が急降下しないように足の先の血管の開きを抑える、などがあります。さらに、起き立がる時は急に頭を上げずに、先に腰を上げて次に頭を上げるなど、ゆっくりした動作を心掛けるのも効果があります。

薬剤性低血圧

手足の先の血管を拡げて血圧を下げる作用がある降圧剤や、抗うつ薬の服用中にたちくらみなどの起立性低血圧が生じることがあります。こうした薬の影響で生じる低血圧を「薬剤性低血圧」といいます。降圧剤を服用中に、家庭で測った収縮期血圧が頻回に90~100mmHgを下回るときは、かかりつけ医に相談するといいでしょう。特に高齢者は、めまい・たちくらみからの転倒が怖いので、早めにお医者さんに相談しましょう。ただし、「くらくらするから」と自己判断で服薬を中止しないようにしてください。

情報公開日:2022年6月1日

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