血圧

1. 血圧の基本の「き」

血圧
監修

浅山 敬 先生
帝京大学 医学部 医学科 衛生学公衆衛生学講座 教授

そもそも血圧って何?

血圧とは、心臓から送り出された血液が全身へと流れていく際に、血流が血管の内側を押す力をさします。血圧の値は、心臓から押し出される血液量(心拍出量)と血管のしなやかさ(血管抵抗)によって決まります。若い人の血管はゆでたてのマカロニのようにぷるぷるしているので抵抗が小さく、血圧も低いのですが、年齢を重ねるにつれて血管が硬くなり抵抗が増すため、血圧が上昇します。

上の血圧と下の血圧

心臓がキュッと収縮して、最も強く血液を送り出そうとするときの最大(最高)血圧を「収縮期血圧」または「上の血圧」と呼びます。心臓がゆったり拡がり次に送りだす血液をためているときの最小(最低)血圧を「拡張期血圧」または「下の血圧」と呼びます。

収縮期血圧(上の血圧) / 拡張期血圧(下の血圧)

血圧の日内変動と季節変動

血圧はさまざまな周期で変動しています。たとえば活発に動いている日中は高く、食事や排泄、入浴といった普通の生活動作でも一時的に上昇します。反対に夜の睡眠中は低くなります。また一般に春~夏の気温が上昇している季節は血圧が下がり、秋から冬にかけては血圧が上昇します。

血圧の種類

血圧測定の方法は、病院やクリニックで測る「診察室血圧」と家庭で測る「家庭血圧」、特殊な機器をつけて15分から1時間ごとの血圧を測る「自由行動下血圧(通常、24時間測定することから24時間自由行動下血圧、24時間血圧とも呼ばれます)」の3つに分けられます。このうち、診察室血圧と自由行動下血圧は医療機関・医療従事者による測定や管理が必要です。

高血圧の基準

診察室血圧で、収縮期血圧/拡張期血圧のどちらか一方、あるいは両方が140/90mmHg以上を満たす場合に高血圧と診断されます。家庭血圧による場合は 135/85mmHg以上です。一方、診察室血圧で130/80mmHg以上、家庭血圧で125/75mmHg以上の方は「高値血圧」と診断されます。高値血圧はいわば「高血圧予備群」なので、それ以上、進行することがないように生活習慣の改善が指導されます。健康的な血圧値である診察室血圧で「130/80mmHg未満」(理想的には収縮期血圧120mmHg未満)、家庭血圧で「125/75mmHg未満」(理想的には収縮期血圧115mmHg未満)を目指しましょう。

血圧値の分類

出典:日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編「高血圧治療ガイドライン2019」日本高血圧学会発行、2019.
一般向け 「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 「高血圧の話」 日本高血圧学会発行

情報公開日:2022年6月1日

その他のコンテンツ

栄養・食事
日々の食事に役立つ情報をご紹介します。