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医薬品の価値を最大化する
独自のドラッグ&デバイスの技術

テルモは、医薬品と医療機器を組み合わせたD&D(ドラッグ&デバイス)製品を世界の医療現場に提供しています。その歴史は1963年に発売した日本初のプラスチック製ディスポーザブルシリンジ(使い切り注射器)の発売にさかのぼります。1999年には、あらかじめ薬剤を充填した注射器「プレフィルドシリンジ製剤」が発売されました。ICU(集中治療室)や手術室など、緊急性が高く、厳密な薬剤投与管理が求められる医療現場における安全性や効率性が評価され、普及が大きく進みました。現在では、救急医療以外でも広く活用され、薬剤投与の現場におけるスタンダードになっています。

その一方、2000年に入ると、慢性疾患を含めたさまざまな疾患の治療薬としてバイオ医薬品が注目を集めます。低分子薬とは異なりたんぱく質を有効成分とするバイオ医薬品では、不純物や、温度、光などの影響を受けやすく、容易にその活性を失ってしまう性質があります。そこでテルモは、バイオ医薬品との相性に配慮した、プラスチック製薬剤充填用シリンジを開発し、医薬品の価値と信頼を高めることに成功しました。

バイオ医薬品時代の活躍に期待 薬剤充填用シリンジ

テルモの薬剤充填用シリンジには、次のような技術を採用しています。

プラスチックの成形技術と医薬品容器の素材開発技術

プラスチックは、ガラスに比べて軽量で割れにくいため取り扱いがしやすく、また、成形の自由度も高いため、投与方法に合わせたデザインが可能です。また、ガラス成形時に起こりやすい不純物混入リスクが低いため、薬剤の品質保持にも適しています。さらに、薬剤の吸着や、不純物の溶出を起こしにくいテルモ独自の素材を開発し、プラスチック製薬剤充填用シリンジが生まれました。

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医薬品業界初シリコーンオイルフリー

一般的なシリンジでは、押し子の摺動性(滑り性)を高めるために、シリコーンオイルの塗布が欠かせません。しかし、シリコーンオイルはバイオ医薬品に含まれる成分との相性が悪く、薬剤中のたんぱく質の凝集や酸化などを引き起こし、薬効の低下を招くリスクがあります。テルモは、たんぱく質の凝集や酸化を引き起こすことなく、押し子の摺動性が良好な、独自のコーティング技術を開発しました。

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たんぱく質の凝集のイメージ

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独自のコーティング

薬剤の品質維持に寄与 「オートクレーブ滅菌&無菌充填」

現在、医療機器の製造時に用いられる滅菌技術の主流は、ガス滅菌もしくは放射線滅菌です。一方、プレフィルドシリンジ製剤の場合、それぞれガス滅菌や放射線滅菌で生じた残留ガスやラジカルが、薬効を低下させるデメリットがあります。テルモは、高温の蒸気で容器を滅菌することで、薬剤に不純物を残さない「オートクレーブ(高圧蒸気)滅菌」のノウハウを活用し、充填薬剤の安全性と品質を高めることに努めました。また、熱に弱いバイオ医薬品については、充填、打栓(密封)を無菌的に行う「無菌充填」で薬剤の品質維持を図っています。

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製薬会社とのアライアンス(提携)
で ドラッグデリバリーの進化に貢献

テルモは現在、世界的に拡大しているバイオ医薬品が、必要な患者さんに確実に届けられ、適切に投与が行われるよう、製薬企業に対して投与デバイスの開発や製造技術の受託を提案する、共同開発ビジネスに注力しています。通常、新薬の開発では早期の試験の段階で薬剤を充填する容器を確定させなくてはなりません。そのため、開発においても初期段階から製薬企業と協業し、薬剤投与デバイスの設計や評価、生産を行っています。 近年、このようなアライアンスが実を結び、薬剤に適した技術を採用したプレフィルドシリンジ製剤も相次いで発売され、世界の医療現場や患者さんへの貢献が期待されています。

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