- 企業情報
- 医療関係の皆様
- 患者さん・一般の皆様
- 製薬会社の皆様製薬会社の皆様
製薬会社の皆様向けの情報を提供しています。
医療現場に最適な医薬品と投与デバイスを融合した
ドラッグ&デバイス製品の開発から生産をサポートします。
アフェレーシスによる細胞の採取から培養、チューブ接合、
充填に至る一連のプロセスにおいて、遺伝子・細胞治療に
向けた製品とソリューションをご提供します。
- 製薬会社の皆様
- IR情報
- 採用
- ニュースリリース
テルモのニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするためのものです。医療機器や医療用医薬品の情報が含まれることがありますが、これらは報道関係者の皆様、株主・投資家の皆様を対象にした情報であり、製品広告を目的とするものではありません。
- 医療関係者向け情報トップ
- 圧迫療法について
- 製品関連情報:弾性ストッキングについて
弾性ストッキングについて
監修 横浜南共済病院 心臓血管外科 孟真先生
医療用弾性ストッキングについてご紹介します。なお、わからないことがありましたらご自身では判断せずに専門の医師・看護師にご相談ください。
はじめに
弾性ストッキングは、多くの種類があり、きちんと治療効果を上げるためには、その形、サイズ、圧迫の強さ、伸縮性を考慮し、選択することが大切です。
弾力性のあるストッキングには、非医療機器のサポートタイプストッキング(いわゆる着圧ソックス)と、医療機器である医療用弾性ストッキングがあります。
本ページでは、下肢用の医療用弾性ストッキングについて解説します。
弾性ストッキングとは
下肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減または予防する等、静脈還流の促進を目的に使用される医療用の弾性着衣です。
弾性ストッキングの圧迫の強さは、足首がもっとも強く、ふとももに行くほど弱くなります。
圧迫の強さの比がだいたい足首:ふくらはぎ:ふともも = 10:7:4 で作られています。
これは、静脈血やリンパ液を心臓方向へ流れやすくする工夫です。
圧迫の強さの選択
圧迫療法において、圧迫の強さの選択は非常に大切です。
疾患、症状に応じて表に示すような基準で圧迫の強さを選択します。
弾性ストッキングの使用にあたっての注意点
使用してはいけない場合
- 重度の動脈血行障害がある方
圧迫により症状を悪化させる危険性があります - 感染性の静脈炎がある方
(血の塊に菌がついている状態、医師の診断が必要です)
症状を悪化させるおそれがあります - 装着部位に極度の変形がある方
適切な圧迫の強さが得られません
慎重な使用が必要な場合
- 糖尿病を罹患されている方
痛みなど、着用時の異常を認識できないおそれがあるため - 繊維に対してアレルギーがある方
皮膚炎を起こすおそれがあるため - 上記以外にも、深部静脈血栓症の方、装着部位に神経障害がある方などは医師の指示に従ってください
弾性ストッキング着用時に、しびれ・痛み・かゆみといった症状が出た場合は、医師や看護師に相談しましょう。
弾性ストッキングの種類
弾性ストッキングには種々のタイプがあり、それぞれの長所と短所を知ったうえで、病態と患者さんの好みなどを考慮して選択します。
つま先なしタイプについて
つま先なしタイプは、足の指が出るタイプです。
フットスリップとは
フットスリップは滑りやすい布で、足にかぶせて弾性ストッキングを滑りやすくして着用を容易にします。
サイズの選び方
弾性ストッキングのサイズは主に足首周囲径から決定します。
製品によってサイズの指示は違います。
必ず使用する製品のサイズ表を確認し選択しましょう。
- ※製品によってはふくらはぎの周囲径などを優先させるものがありますので、製品毎にご確認ください。
弾性ストッキングの選び方
下肢静脈瘤など多くの慢性の静脈疾患
ハイソックスタイプが第一選択となります。
- ハイソックスタイプとストッキングタイプでは血流の改善に差がありません。
足の血流改善にはふくらはぎの圧迫が大切です。 - 色素沈着、潰瘍などの皮膚合併症は膝より下に生じやすいです。
- 着脱が比較的容易で、履き心地もよく、値段も安いという長所があります。
ストッキングタイプやパンティストッキングタイプを選択する場合
- 個人の体格の違いでハイソックスが長すぎたり逆に短すぎる場合
- ハイソックスがずり落ちる場合
- 膝の後ろや膝関節部付近などに大きな静脈瘤がある場合
- ふとももまで著明な静脈瘤や浮腫がある場合
- 硬化療法後でふとももまで圧迫が必要な場合
患者さんが好めば始めからハイソックスタイプの代わりにストッキングタイプやパンティストッキングタイプを用いてもかまいません。
肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)の予防
ハイソックスタイプ、ストッキングタイプのいずれも使用されます。
リンパ浮腫
ほとんどの症例でふとももまで圧迫が必要なため、
ストッキングタイプ、パンティストッキングタイプのほか、ベルト付き片脚ストッキング、片脚パンティストッキングタイプも使用されます。
健常者、非脈管疾患によるむくみ
ハイソックスタイプが第一選択となります。
弾性ストッキングの履き方
- 弾性ストッキングは、たぐって生地をまとめないようにしましょう。履きにくくなります。
- 必ず座って履いてください。立ちながら履くと、転倒する恐れがあります。
- つま先なしタイプは、着用を補助するフットスリップが使えます。
弾性ストッキングの脱ぎ方
着用中のチェックポイント
弾性ストッキングのお手入れ方法
洗濯表示
水または40度以下のぬるま湯に市販の中性洗剤を溶かし、洗濯機で洗う場合には洗濯ネットをご使用ください。
漂白剤および柔軟剤のご使用は避けてください。
直射日光を避け、陰干しにしてください。乾燥機を使用する場合には、50℃以下でご使用ください。
ドライクリーニングはしないでください。
アイロンがけはしないでください。
ご注意:洗濯を他のものと同時にする場合には、色落ちのおそれがあるためご注意ください。
各製品ごとにお手入れ方法が異なる場合がございますので、各製品の取扱説明書等をご確認ください。
参考文献:
- 岩井武尚 監修、孟真/佐久田斉 編集(2020)新 弾性ストッキング・コンダクター〔第2版増補版〕静脈疾患・リンパ浮腫における圧迫療法の基礎と臨床応用株式会社へるす出版
- 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017年改訂版)