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 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、薬剤溶出型冠動脈ステント「Ultimaster Nagomi」(アルチマスターナゴミ)について、欧州連合(EU)の安全要求基準に適合していることを示す認証 (CEマーク)を取得し、欧州市場での販売を開始しました。2023年3月末には、初症例がエストニアで実施されました。本製品の上市は、2022年1月の日本に続き、欧州が2か所目です。

 また、欧州においてUltimaster Nagomiの市販後臨床フォローアップ(Post-Market Clinical Follow-Up)調査*1を開始しました。本調査は、EU域内の医療機関60施設と協力し、3,000名の患者さんの参加を見込んでいます。多枝病変や慢性完全閉塞などの冠動脈の複雑な病変の治療にUltimaster Nagomiを用い、その治療成果を評価します。

 ステントは血管などの人体の管状部分を管腔内部から広げる医療機器で、心臓の周りにある冠動脈が狭窄したり閉塞したりすることによって起きる狭心症や、心筋梗塞などの治療に使用します。薬剤溶出型ステントは、ステントの表面に、治療後の再狭窄の原因となる細胞増殖を抑制する薬剤を塗布した製品です。

 Ultimaster Nagomiは、テルモが2014年から販売している薬剤溶出型冠動脈ステント「Ultimaster」の最新モデルです。Ultimasterシリーズの薬剤やポリマーなどの特徴を継承しつつ、複雑な病変にも使用しやすい製品を目指して開発しました。ステント長は12mmから50mmまで*2、幅広いサイズをラインアップしています。また、分岐部病変にも圧着しやすいよう、柔軟なステントプラットフォームを採用したほか、摺動性を高めるために新しい親水性コーティングを採用することで、病変部へ運び込みやすくすることを追求しました。

 世界には冠動脈疾患を持つ患者さんが約2億人おり、毎年900万人がこの病気のため亡くなっています*3。テルモはこれからも、薬剤溶出型冠動脈ステントをはじめとした革新的な医療機器の開発を通じて、医療従事者に最適な治療の選択肢を提供し、患者さんのQOL向上に貢献してまいります。

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Ultimaster Nagomi
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分岐部病変へのステント留置イメージ
*1 NAGOMI COMPLEX Post-Market Clinical Follow-up study, NCT05705973
*2 ステント径2.25mm、3.50mm、4.00mmの製品は、ステント長は最大38.00mm
*3 出典:British Heart Foundation. Global Heart & Circulatory Diseases Factsheet, February 2023. 

「Ultimaster」(アルチマスター)シリーズの特徴

 Ultimasterシリーズは、薬剤含有コーティングの材料に生分解性ポリマーを採用し、ポリマーならびに薬剤を血管組織に接する面のみに塗布しており、長期的なステント血栓症発生率の低減が期待できます。
 また、血管内の通過性を向上させ、曲がった血管に沿ってステントを留置しやすくするため、コバルト合金を採用するとともに、ステントデザインを工夫しています。欧州、アジア、日本において、シリーズ全体でこれまで155万本以上が使用されています。

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報(開発中のものを含む)は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。