News release
テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、病原体低減化装置「ミラソル」の新型コロナウイルスに関する研究が、国際的な血液学の医学誌「Vox Sanguinis」に掲載受理されたことをお知らせいたします。
この研究は、米国子会社のテルモBCT(コロラド州)がコロラド州立大学の研究者と共同で実施したもので、ヒトの血漿製剤と血小板製剤に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が多数存在するときに、ミラソルの病原体低減化技術が有効であることを示しました。
テルモBCTが開発・販売しているミラソルは、血液の製剤化手順において、リボフラビン(ビタミンB2)を加えて紫外線を照射することで、ウイルス、寄生虫、細菌などの病原体を低減化する装置です。また、輸血時の副作用を抑えるための白血球不活化にも使用されます。全血製剤、血小板製剤、血漿製剤への使用にCEマーク認証*1を取得していて、欧州、中東、アフリカ、アジア、中南米の20カ国以上で導入されています。*2
新型コロナウイルスに関して、輸血で感染するとの証明はされていませんが、一部の血液センターでは、安全性を高めるために血小板製剤と血漿製剤に対して、ミラソルを使用しています。また、国際輸血学会の研究班が推奨している*3ことから、一部の医療機関では回復期血漿*4を投与する前にウイルスを低減化する目的で、ミラソルによる紫外線照射がされています。
テルモは、新型コロナウイルス感染症に対して、「グループの力を結集して、当該ウイルスの感染防止と治療に積極的貢献を図ること」を基本方針の一つに掲げています。これからも、新型コロナウイルスに立ち向かう医療現場に、最先端の治療機器から、日常的に使用される医療機器まで幅広い製品を供給することで、積極的に貢献してまいります。
参考リンク
- *1
製品が、適用されるEU指令(EU:欧州連合)の要件を満たしていることを示すもので、医療機器を欧州で販売するためにはCEマーク認証を取得する必要があります。
- *2
米国、日本での販売は承認されていません。
- *3
"Points to consider in the preparation and transfusion of COVID-19 convalescent plasma"(公開終了リンク)
- *4
新型コロナウイルス感染症から回復した患者さんの血漿を採取し、血漿中に抗体があることを確認したうえで、他の患者さんに投与する行為。
テルモ概要
テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。
国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。
テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。