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  テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、ハイブリッド型のオープンステントグラフト「Thoraflex Hybrid」(ソラフレックスハイブリッド)が米国食品医薬品局(FDA)から販売承認を取得したことをお知らせいたします。複雑な大動脈疾患を抱える患者さんに新たな治療の選択肢を提供してまいります。

  Thoraflex Hybridは、人工血管と自己拡張式のステントグラフトを組み合わせたハイブリッド型の医療機器です。弓部大動脈と下行大動脈にある瘤や解離の治療に使用します。人工血管部分は、ゼラチンが塗布されたポリエステル素材でできていて、外科的に動脈瘤や解離部分を取り除き病変部を置換します。ステントグラフト部分は、ゼラチンが被覆されたポリエステル素材にニッケルチタン製のステントが縫い付けられており、大動脈内で展開して留置します。

  これまで、弓部大動脈と下行大動脈の広範囲にわたって病変がある患者さんは、人工血管置換術とステントグラフト内挿術の2回の手術をする必要がありましたが、Thoraflex Hybridを使用すると1回の手術で手技を終えることができます。

  FDAは、疾患の重篤性など一定の要件を満たす画期的な製品を対象に「ブレイクスルーデバイス指定」という制度を設けています。Thoraflex Hybridは、2020年にブレイクスルーデバイス指定を受け、このたびハイブリッド型のオープンステントグラフトとして米国初の販売承認を取得しました。

  臨床試験を主導したJoseph Coselli医師(米国・テキサス州ヒューストン市、ベイラー医科大学)は、「この1年間の成績としては、Thoraflex Hybridを使用することで従来の2回に分ける術式と比べて有害事象リスクが22.6%低減できました。また、今後疾患が進行した場合も、テルモの実績のあるステントグラフト『RelayPro NBS』を追加留置できる適応があるため、安心してThoraflex Hybridを使用できます」とコメントしています。

  テルモは、「Terumo Aortic(テルモ アオルティック)」という事業ブランドで大動脈治療に使用する人工血管とステントグラフトを幅広くラインアップしています。Thoraflex Hybridは、2012年に欧州CEマーク認証を取得して以来、世界で13,000症例以上の販売実績があります。Terumo Aortic North AmericaのプレジデントPaul Kuznikは、「これからも、製品ポートフォリオを拡充し、より多くの大動脈疾患に革新的なソリューションを提供してまいります」とコメントしています。

ご参考

  Terumo Aorticは、テルモが2002年に買収したバスクテック社と2017年に買収したボルトンメディカル社が主体となっています。現在、1,250名以上のアソシエイトが働いています。生産拠点はグラスゴー(スコットランド)とサンライズ(フロリダ)にあります。

  Storiesテルモのテクノロジー

  #10 大動脈治療の進化を支える“ハイブリッド”グラフトの技術

  https://www.terumo.co.jp/technology/stories/10

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報(開発中のものを含む)は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。