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当社は、内外で発生する種々のリスク事象に対応するため、「グループリスク管理規程」を制定し、組織体制の整備および各事象への対応を行っています。当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。

医療行政の方針変更

当社の属する業界では、国内外で、医療費抑制や、医療の質の向上を目的とした制度改革が継続的に行われています。当社は、事業を展開している各国における医療行政の方針を定常的に分析し、関連する社内部門やステークホルダーとともに必要な対応の実施に努めています。しかしながら、予測を超えた大規模な医療行政の方針変更が行われ、急激な環境変化が生じた場合には、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

安定供給に係るリスクについて

当社は、医療現場に高い品質の製品を安定的に供給できる、持続可能なバリューチェーンを構築するため、資材調達に関する事業継続計画(BCP)を整備するとともに、品質管理やコンプライアンス、EHS(環境・安全衛生)等に関する取り組みについては、取引先との協力体制構築も含め、強化に努めています。しかしながら、想定以上の長期にわたって安定的な供給体制が機能しなくなった場合、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

品質について

当社は、グローバルに事業を展開するために、製造および販売先国の関連する医薬品および医療機器等の法令・規制の遵守、規格への適合を図るとともに、グローバルでの品質ガバナンス強化を推進し、品質管理システム構築と継続的改善を行っています。また、内部監査等を通じて、グループ内各生産拠点の関連法規制への対応状況や、品質管理の状況等について、定期的な確認を実施しています。加えて、要求される基準を満たし関連法規制を遵守するため、厳格な品質管理と製造管理の下で、製品の品質、有効性および安全性の確保に努めています。しかしながら、売上の低下や対応費用の増加等によって、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす、以下の可能性があります。

  • A.

    各国における法令・規制の強化に対し、タイムリーな対応が取れないリスク。

  • B.

    当社製品に関わる品質上の問題が発生した場合、リコールや、製品の出荷が一時的に滞る等のリスク。

  • C.

    医療事故等の発生に当社製品が直接関与していないことが明らかであっても、将来的に当社製品にリスクが波及すると判断された場合、予防的な対策、措置を講じる可能性。

医療における新たなエビデンスの発見

当社の属する業界においては、研究の成果として、治療や医療機器・医薬品の有効性とリスク等が、時間の経過とともに明らかになっていきます。当社は、事前に想定しうる限りのリスクと機会を考慮して、製品開発、事業提携、買収等に臨んでおり、その途中段階においても、最新の研究報告や臨床データを分析し、継続の是非を判断しています。しかしながら、製品に期待されていた有効性が証明されなかった、これまで有効と考えられていた治療に新たな不具合や副作用が発見された等の場合には、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

販売価格の変動

当社の属する業界は、日本では医療費抑制策の一環として、2年に一度、診療報酬、薬価および特定保険医療材料の公定償還価格の改定が行われます。また、国内外ともに、市場における企業間競争の激化や技術革新により、大幅な価格下落が発生する可能性があります。当社は、継続的な製造コストの低減活動や、より付加価値の高い製品の販売等によって、これらの影響を最小化するよう努めていますが、大きな販売価格の変動が生じた場合には、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

為替レートの変動

当社は、日本に本社を置き事業運営を行っているため、連結財務諸表作成等のために、各地域における現地通貨建て財務諸表を円換算しています。従って換算に適用する為替レートに変動があると、円換算後の損益に影響を及ぼすこととなります。当社は海外工場への生産移管、海外からの原材料調達等の構造的対応を図るとともに、保有する債権の当該リスクに対し、機動的な為替予約による影響の最小化に努めています。しかしながら、大きな変動が生じた場合には、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

会計基準および税制の変更

当社は、事業計画や成長戦略を策定する際、その時点で見込まれる、将来の会計基準や税制の変更による影響を含めるよう努めています。しかしながら、事前に情報を入手することが困難なタイミングで、会計基準や税制が新たに導入・変更された場合や、税制当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

資本・業務提携および企業買収等について

当社は、資本・業務提携や企業買収等を、事業基盤の強化を図るための重要な戦略の一つと位置付けており、適切な事業性の分析や判断、想定される事業リスクの低減、迅速かつ効率的な買収後統合等に努めています。しかしながら、今後、かかる資本・業務提携や企業買収等が当初期待していた成果を出せない場合には、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

減損・評価損・事業再編に係るリスクについて

当社は、中長期の成長戦略に基づき、各事業における効率的な経営資源の活用、投資回収の最大化に努めています。しかしながら、当初見込まれた成長を実現できなかった場合、のれんや有形固定資産、無形資産等の減損、事業売却や清算等の損益により、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

情報セキュリティ、ITシステム管理に係るリスクについて

当社では、詐欺メール対策や不正通信の監視等の外的要因から、多層にわたり情報とシステムを防御できるよう、セキュリティ強化策を実施しています。また内部要因への対策としても、情報セキュリティに関するグローバル共通の基準とルールを制定、社員への継続的教育や、システム老朽化への対応と刷新等を実施し、脅威に備えています。しかしながら、これらの対策が充分に機能しなかった場合、不正アクセス、個人情報・機密情報漏洩、システム障害等が発生し、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

重要な訴訟等について

当社は、国内外の事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法的手続きの対象となるリスクがあります。これらの法的なリスクについて、法務室、知的財産部等の管轄部署による調査や社内チェック体制の整備をしており、必要に応じて取締役会および監査等委員会に報告する管理体制となっています。しかしながら、将来、第三者より、損害賠償請求や使用差し止め等の重要な訴訟が提起された場合は、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

疫病や感染症の蔓延・大規模自然災害について

当社は、世界的な疫病、感染症の拡大や、地震、ハリケーン等の自然災害が発生した際に備え、「グループ事業継続基本規程」を制定し、さまざまな訓練を定期的に実施しています。しかしながら、事業活動への支障が想定以上の規模となった場合、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響に対して、当社では、企業理念、コアバリューズ、「グループ事業継続基本規程」に基づき、次の3点を基本方針とし、事業活動を推進しています。

  • 全ての社員の健康と安全を最優先にした対応を進めること。
  • 医療を止めないため、製品の安定供給に最大限努めること。
  • テルモグループの力を結集して、当該ウイルスの感染防止と治療に積極的貢献を図ること。

当社では、2020年4月1日より全社的に危機管理を主眼に経営管理を強化、財務健全性(資金流動性)の追加担保や、より短いサイクルでの業績見通し確認、平時より厳格な収支管理実践など、変化の速い状況に即応する柔軟なオペレーション体制維持を図っています。

環境・安全衛生およびコンプライアンスについて

当社は、労働安全衛生、腐敗防止、独占禁止、医療従事者に対する適正なプロモーション等のコンプライアンス、気候変動をはじめとした環境問題への対応について、国際基準に準拠した管理システムの運用、継続的な改善活動や制度の拡充、社員教育等を実施しています。しかしながら、各国における急激な法規制の変更や、その他社内およびステークホルダーにおけるさまざまな要因により、これらの対策が充分に機能しなかった場合、重大な違反の発生や社会的信頼の毀損および、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

経済および地政学に係るリスクについて

当社は世界各国に製品を供給していますが、当社が事業を展開するさまざまな市場における景気後退や、それに伴う需要の縮小、あるいはテロ・戦争等の予期せぬ政情の変化が起こる可能性があります。当社は、各国の政治・経済情勢を定常的に確認、有事の際には人命の安全確保を最優先して、適切な対策の実行に努めます。しかしながら、事業活動への支障が想定以上の規模となった場合には、当社の経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。