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 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、脚の動脈疾患用ステント「Renzan」*の臨床研究「PRIZER」を欧州で開始いたします。

 Renzanは、脚の動脈の血流を改善するために使用するステントです。コレステロールなどで血管が狭くなった病変部まで、カテーテルでステントを運び、⼿元操作でステントを覆うさやを引き戻すと、ニッケルチタンの形状記憶合金でできているステントが、⾎管内で⾃⼰拡張して血管を押し広げます。
 この製品は、脳血管内治療製品を展開する米国子会社マイクロベンション(カリフォルニア州)が開発し、生産しています。狭くなった頸動脈を治療するステント「Roadsaver」(「Casper」という名称でも販売)で使用されている技術を用いた二層の編み込み構造が特徴です。この独自構造で、曲がりくねった血管にも沿う高い柔軟性に加え、拡張時には血管を強く押し広げながら、留置後は血管に与えるストレスを抑えるバランスの取れたステントを目指しました。また、高い操作性でステントが留置しやすいように、シンプルな設計にしました。

 このたびの臨床研究では、大腿膝窩動脈(太ももから膝の動脈)に病変部がある患者さんと、膝窩動脈のみが狭くなっている患者さんの2グループ、合計135人の患者登録を予定しています。Renzanで治療してから12カ月後の血管の一次開存率等を、他の金属製ステントの臨床研究結果と比較することで、製品の安全性と有効性を評価します。

 本研究の責任医師であるSint Blasius総合病院(ベルギー)のKoen Deloose氏は、「脚の動脈では特に高リスク患者に標準的に使える柔軟かつ正確に留置しやすいステントの登場が強く望まれている。Roadsaverと同じ二層の編み込み構造を持つRenzanは、この期待に応えうる製品で、今回のPRIZER研究は新しい可能性を示唆してくれるだろう」と述べています。

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    Renzanは、CEマーク認証(適用されるEU指令の要件を当該製品が満たしていることを示すもので、医療機器を欧州で販売するために取得する必要がある認証)を取得済みの製品です。

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    Renzan

脚の動脈疾患

 脚の動脈疾患は、末梢動脈疾患(PAD)と呼ばれ、脚の動脈内にコレステロールなどがたまることで血管が狭くなり、血流が悪くなる疾患です。脚にしびれや痛みが生じるほか、病状が進行すると足先からの壊死によって脚の切断を余儀なくされることもあります。

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報(開発中のものを含む)は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。