News release
テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:鮫島 光)は、米国子会社Terumo BCT, Inc.(以下、テルモBCT)とオランダの血液事業を担うサンキン血液供給財団(以下、Sanquin)が、全血用の血液自動製剤システム「Reveos」 をオランダ全土の血液製剤製造所に導入する契約を締結したことをお知らせします。契約期間は10年間です。
Sanquinは、世界中で広く採用されているバフィーコート法*1による血液製剤技術のパイオニアとして知られています*2。献血で集められた血液から、血小板製剤や血漿製剤のような血液製剤をより多く製造できるようにするため、従来のバフィーコート法からReveosを活用した自動化プロセスへと移行します。
さまざまな急性および慢性疾患の治療のために、血液製剤の需要は増加しています。たとえば、血小板製剤はがん治療や急性および慢性貧血症、出血性疾患の治療において重要であり、赤血球製剤は特定の肝疾患の治療に必要とされています。一方で、世界中の血液事業者にとって、献血者の確保と維持は課題となっています。
Reveosは、全血採血で集めた血液(全血)から、血小板製剤をはじめとする血液製剤を製造するためのシステムです。全血を遠心分離して血小板、血漿、赤血球などの成分に分け、専用の血液バッグに充填するまでの一連の工程を完全自動化します。
オランダ全土の製造拠点にReveosを導入することで、Sanquinは製剤プロセスを効率化することができます。従来は血小板製剤を1つ製造するために5回分の献血が必要でしたが、製剤プロセスの効率化により、4回分の献血で製造することが可能になります。また、手作業から全自動化に移行することにより、作業工程の数を従来の三分の一へと大幅に減らし*3、作業者の負担軽減を実現します。
Sanquinは年間40万件の全血献血を集めていますが*4、Reveosを導入することで同じ量の献血からより多くの血小板製剤を作ることができるようになるため、献血数を増やすことなく、血小板製剤の増産を行うことが可能になります。
さらに、Reveosは血漿製剤も効率的に製造できるため、血漿由来の医薬品や治療をサポートします。
これからもテルモは、血液製剤化プロセスの全自動化を推し進めることにより、患者さんのもとに必要な血液製剤を提供できるように支援していきます。
*1 遠心分離により、白血球と血小板からなる中間層(バフィーコート)を回収後、白血球を分離して血小板を取り出す方法。
*2 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1111/vox.13280
*3 テルモBCT調べ。製造所における現行プロセスによって、削減率は異なります。
*4 https://www.sanquin.nl/binaries/content/assets/sanquinnl/over-sanquin/pers--actueel/jaarverslagen/jaarverslag-stichting-sanquin-bloedvoorziening-2023.pdf
テルモ概要
テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。
国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。
テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。