
News release
テルモのニュースリリースは、当社企業活動をステークホルダーの皆様にお伝えするためのものです。医療機器や医薬品の情報が含まれることがありますが、これらは報道関係者、株主・投資家等の皆様を対象にした情報であり、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
薬剤溶出型冠動脈ステント「Ultimaster(アルチマスター)」シリーズの薬剤塗布技術を評価
テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、薬剤溶出型冠動脈ステント(DES:Drug Eluting Stent)の薬剤塗布技術に関する特許発明について、公益社団法人発明協会(所在地:東京都港区、会長:内山田 竹志、以下、発明協会)が主催する令和5年度全国発明表彰の「文部科学大臣賞」および「発明実施功績賞」を受賞しました。
本技術は、ステント表面の薬剤コーティングに亀裂が生じたりコーティングが剥離したりするリスクの低減を目指したもので、テルモのDESである「Ultimaster(アルチマスター)」シリーズ*1に採用されています。
ステントは血管などの人体の管状部分を管腔内部から広げる医療機器で、心臓の周りにある冠動脈が狭窄したり閉塞したりすることによって起きる狭心症や、心筋梗塞などの治療に使用します。DESは、治療後の再狭窄の原因となる細胞増殖を抑制する薬剤をステントの表面にコーティングした製品です。
DESは、屈曲した血管に追従するようにジグザグ形状の節を多数組み合わせた多関節構造となっています。病変部でステントを拡張する際に、各節の接合部やジグザグの山となっている部分に圧力がかかり、それらの部分のコーティングが剥離して末梢血管を詰まらせるリスクが懸念されていました。
受賞対象となったテルモ独自の薬剤塗布技術(グラディエントコーティング)は、薬剤コーティングの厚さをステントの位置によって変化させることが可能です。圧力がかかりやすい部分に向かって厚さを徐々に薄くすることにより、コーティングの亀裂や剥離の発生を抑える効果が期待できます。
テルモはこれからも、人々の健康と命を支える価値ある製品やサービスの提供を通して、「医療の進化」と「患者さんのQOL向上」に貢献してまいります。
・丸山 和宏(まるやま かずひろ)
テルモ株式会社 カテーテル開発部研究開発課
・齊藤 昇(さいとう のぼる)
テルモ株式会社 心臓血管カンパニーTIS事業R&D部
・後藤 大樹(ごとう ひろき)
テルモ株式会社 CTO Office R&D戦略グループ
発明実施功績賞
・佐藤 慎次郎(さとう しんじろう)
テルモ株式会社 代表取締役社長CEO
年度 | 受賞内容 | 発明 |
---|---|---|
令和3年度 (2021年度) |
全国発明表彰 「文部科学大臣賞」、「発明実施功績賞」 | インスリン用注射針の発明(特許第4025567号) |
令和4年度 (2022年度) |
全国発明表彰 「発明協会会長賞」、「発明実施功績賞」 | 医療用閉鎖式輸液コネクタの発明 (特許第5903046号) |
令和5年度 (2023年度) |
全国発明表彰 「文部科学大臣賞」、「発明実施功績賞」 | 剥離しないように薬剤塗布された冠動脈ステントの発明(特許第5570515号) |
最も優秀と認められる発明等に「恩賜発明賞」(1点)、特に優秀と認められる発明等に「文部科学大臣賞」や「発明協会会長賞」を始めとする特別賞(各1点)、特別賞を受賞した発明を実施した企業に「発明実施功績賞」が贈られます。
テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。
国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。
テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。