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 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、下肢の複雑な末梢動脈疾患において、橈骨(とうこつ)動脈からアプローチするカテーテル手技(Radial to Peripheral:以下、R2P)の安全性と有効性を検証する臨床試験の結果が公表されたことをお知らせします。本臨床試験では、R2Pは入院日数の短縮や合併症の低減をもたらし、有用であることが示唆されました。結果詳細は、今年9月に米国で行われたカテーテル治療学会Transcatheter Cardiovascular Therapeutic (TCT)で発表されました。

 下肢の末梢動脈疾患とは、脚の動脈が狭窄もしくは閉塞してしまった状態を指します。歩行時に足のしびれや痛みが生じ、悪化すると足が壊死してしまい切断を余儀なくされることもあります。R2Pでは、手首内側にある橈骨動脈からカテーテルを挿入し、下肢の病変部をバルーンカテーテルで拡張したり、ステントを留置するなどの治療を施します。従来の脚の付け根からカテーテルを挿入する手技と比べ、患者さんの負担を低減できる可能性があると近年注目されています。

 このたびテルモがスポンサーした臨床試験は、前向き・単群・多施設共同研究で、研究で得られた画像は専門機関によって解析されています。米国の医療機関8施設から、2020年6月29日~2021年6月24日の間に治療を受けたRutherford分類2~5の患者さん120名を登録し、R2Pの安全性と有効性、そして1年後の成績を検証しました。

 臨床試験結果では、橈骨動脈穿刺に関連する重篤な合併症*はどの患者さんにも発生せず、R2Pの安全性が確認されました。また、全ての患者さんで橈骨動脈アプローチに成功し、92.3%の患者さんが治療を受けた当日に退院しました。さらに、テルモの「R2P Misago」ステントを留置した患者さんにおいては、12か月後のフォローアップで再治療が必要だった方は2名でした。
 本臨床試験の内容を踏まえて、下肢の末梢動脈疾患においても、心臓カテーテル治療と同様に橈骨動脈アプローチが有効であることが期待される結果となりました。

 テルモはこれからも、R2Pで使用しやすい製品の開発や、トレーニング機会の提供、エビデンス構築の支援などを通して「医療の進化」と「患者さんのQOL向上」に貢献してまいります。
* 主要評価項目として設定していた合併症は、穿刺部からの出血、手先の虚血、血腫、神経損傷、穿孔、仮性動脈瘤、橈骨動脈閉塞、塞栓性脳梗塞、一過性脳虚血発作です。
本プレスリリースは、テルモメディカル社が9月17日に発表した内容の一部を和訳・編集したものです。
原文は https://www.terumo.com/newsrelease/detail/20220917/5501 をご覧ください。

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

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