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代表取締役社長CEO 佐藤 慎次郎

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。テルモは昨年、創立100周年を迎えました。次の100年に向かって歩み始めた今、今年もたくさんの仲間を迎え入れることができ、たいへん嬉しく思います。この2年間はコロナの影響で皆さんも大変な混沌の中に巻き込まれたことと思います。学生生活や就職活動にも色々な困難が伴ったと想像しますが、本日ここにめでたく入社式を迎えられたことを、心より御祝い申し上げます。


 このコロナ禍の2年間はテルモでも実に様々なことがありました。そうした経験を通じて私が一番痛感したのは、「テルモは何のために存在するのか?」ということでした。2年前、パンデミックの脅威に世界が打ち震えた最初の数週間に、私も経営者として、医療機器メーカーのテルモに一体どのような貢献ができるのか、思いを巡らした瞬間がありました。それも束の間、体温計はもとより、体外式膜型人工肺(ECMO)、成分採血システム、紫外線照射ロボット、ワクチン接種向けのシリンジなど、多くのテルモ製品がコロナ禍の医療現場で役立つことになりました。同時に、コロナの影響で通常の医療が止まらないよう、生産現場をはじめとして世界中のアソシエイト(社員)が力の限りを尽くして、安定供給のため最大限の努力をしてくれました。今回のコロナ危機を通じて、テルモが社会と医療のためにこそ存在する企業としての本質に、改めて気づかされることになりました。


 ここ数年、経営の世界では「パーパス」という言葉がクローズアップされ、それぞれの企業に「存在する意義・目的」を明らかにすることが求められています。創立100周年を機に、テルモグループとしても、パーパスを正式にステートメントとして定義しました。

 「我々の使命は、患者さんの命を救い、負担を減らし、日常の生活を取り戻してもらうこと。テルモは医療現場で培った確かな品質とテクノロジーの力で医療の進化に挑戦します。」

 これがテルモのパーパスになります。


 医療の進化に貢献していくためには、皆さんのような若い力がどうしても必要になります。企業が時代の流れに取り残されないためには、企業自身が常に若返りを図る必要があるからです。医療も時代とともに変化します。21世紀の医療課題の多くは、新しい技術と斬新なアイデアによって解決されていくはずです。その意味で、新しい時代が求めるものをより直観的に理解し、AI・IoT・ロボティクスなどの新技術を抵抗なく受け入れられる立場にいるのは若い皆さんです。皆さんのしなやかな発想と果敢な挑戦心を、明日からの仕事において遺憾なく発揮してほしく思います。


 入社にあたり、皆さんに3つのアドバイスを送ります。

 一つ目は、「医療」に関心を持って、学び続けること。

 テルモの企業理念は「医療を通じて社会に貢献する」ことです。これは今後も変わることがありません。我々は医療の分野で新たな価値を生むためにここに集っています。ですから、医療について学び続けることは、テルモで働くかぎり責務であります。医療従事者や病院・医療現場のパートナーとして、新たな課題を発見し、解決策を提供するために、医療について学び続ける姿勢が絶対的に不可欠です。せっかくテルモに入社したのですから、生涯にわたって医療と真剣に向き合うことをお願いします。

 二つ目は、チームワークを通じて、多くの人々と協働する力を身につけること。

 社会人の仕事において大きな成果を生みだしていくためには、人々と深く関わり、互いに連携しながら集団で実績をあげる力が求められます。一緒に働く相手は会社の同僚に限りません。医療従事者の先生方、取引先、代理店、提携先のパートナー、相手が誰であれ成果はチームワークを必要とします。この力は、人に興味をもつこと、コミュニケーションを大切にすることから磨かれます。若いうちは自分のことに一生懸命で大変でしょうが、経験の関数ですので、どうか長いキャリアにわたってこのことを意識し続けて身につけてください。

 三つ目は、プロフェッショナルを目指すこと。

 テルモの仕事は、究極的には、医療従事者と患者さんに奉仕することです。医療従事者は、間違いなくプロフェッショナルです。当然、我々にもメーカーとしてプロフェッショナルな意識が必要です。医療機器を使用する際には必ず生命のリスクが伴います。ですから、テルモの仕事には、医療機器を提供する立場として徹底したプロフェッショナリズムが求められます。自分の仕事においては誰にも負けないレベルを目指すことは決して望外なことではありません。人間的な成長に加えて、プロとしての成長も貪欲に目指してください。


 最後に、「カルペ・ディエム」という、ローマの詩人、ホラティウスの言葉を皆さんに送ります。英語では「Seize the day」、日本語で言えば「今を生きる、その日を掴め」という意味です。現代は誠に不安定な時代ですので、過去のことを悩んだり、未来を不安に思ったりする心はある程度避けがたいところがありますが、やはり、人間にとって最も大事なのは、今、この瞬間です。過去も未来もそれぞれ異なる皆さんが、こうしてテルモに入社して一つの仲間となって今一緒にスタートラインに立っていること自体、思えばすごい奇跡です。どうかこの縁を大切にして、「今・この時」を楽しみつつ、大きく育ってほしいと思います。


2022年度テルモグループ入社式概要

日時 :2022年41日(金)11:00~12:00
実施形態 :対面+ウェブ中継(新入社員は、東京オフィス・自宅・各工場で参加)
新入社員数 :249名

テルモ株式会社、テルモ山口株式会社、テルモ・クリニカルサプライ株式会社合同で開催

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報(開発中のものを含む)は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。