
News release
テルモのニュースリリースは、当社企業活動をステークホルダーの皆様にお伝えするためのものです。医療機器や医薬品の情報が含まれることがありますが、これらは報道関係者、株主・投資家等の皆様を対象にした情報であり、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
世界の糖尿病患者さんへの貢献を目指して
テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、このたび、より多くの糖尿病患者さんに貢献することを目指して、インスリン自動投与制御システム(AIDシステム: Automated Insulin Delivery system)を実現するための投与制御アルゴリズムを開発している Diabeloop社(本社:フランス・グルノーブル市)との包括的な提携契約を締結しました。これにより、現在日本で進めているAIDシステムの共同開発に加えて、将来的な販売地域の拡大、製品パイプラインの拡充、さらにはAIDシステムの活用領域を広げることを両社で進めていきます。
AIDシステムとは、血糖コントロールのためにインスリン投与が必要な糖尿病患者さんの治療に使用されるものです。持続血糖測定器(CGM:Continuous Glucose Monitoring)でリアルタイムに測定した皮下のグルコース濃度に連動して、患者さんの状態に合わせたインスリン量が、インスリンポンプから持続的に投与されるシステムです。
日常生活を妨げることなくグルコース濃度の細かな制御が期待できることから、AIDシステムは欧米を中心に拡大しています。このシステムを実現するには、CGMとインスリンポンプに加えて、適切な投与量を算出し両者を連動させる投与制御アルゴリズムが必要です。
Diabeloop社は、投与制御アルゴリズムを搭載したスマートフォン型の専用端末「DBLG1」を開発し、CGMと他社のインスリンポンプを組み合わせたAIDシステムを既に欧州で展開しています。このアルゴリズムは、無線通信でCGMから得る5分ごとのデータに加え、患者さんの状態、血糖値の推移、食事・活動のデータ入力を基に、リアルタイムに適切なインスリン投与量を算出します。
テルモは、インスリンポンプ「メディセーフウィズ」を2018年から販売しています。メディセーフウィズは、糖尿病患者さんの日常的な活動を制限せずに治療できるように開発された日本で初のパッチ式インスリンポンプ*です。また、2019年から、米デクスコム社のCGMを日本で販売しています。
そして、テルモとDiabeloop社の両社は、2020年から日本の糖尿病患者さんへの貢献を目指して、インスリン自動投与制御システムの共同開発に取り組んでいます。
このたびの戦略的提携に基づき、共同開発を加速させ、パッチ式インスリンポンプを用いたAIDシステムのさらなる拡大を目指し、欧州を始め他の地域にも展開していきます。また、両社の知識と技術を持ち合わせて新たなパイプラインとなるテーマに取り組むことで、世界のより多くの糖尿病患者さんの生活に寄り添ってまいります。
メディセーフウィズとDBLG1のAIDシステムイメージ
メディセーフウィズ装着イメージ
テルモは糖尿病領域において、1982年から約40年にわたり、革新的な製品を提供し続けてきました。独特な形状を持つ血糖測定器や世界一細いインスリン用注射針、日本初のパッチ式インスリンポンプなどの幅広い製品群を取り揃えています。
今年は、テルモ創立100周年にあたり、また、インスリンの発見からも100年を迎えます。世界中の糖尿病患者さんがさらに「自分らしい生活」を送れるように、これからも技術の進歩に取り組んでまいります。
メディセーフウィズを日常の中で使用するイメージ
次の100年に向けた想い
テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。
国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。
テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。