
News release
テルモのニュースリリースは、当社企業活動をステークホルダーの皆様にお伝えするためのものです。医療機器や医薬品の情報が含まれることがありますが、これらは報道関係者、株主・投資家等の皆様を対象にした情報であり、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
中国で薬剤溶出型ステントに参入
テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、本日7月24日、中国医療機器企業エッセン・テクノロジー社を買収することに合意いたしました。買収金額は一時金約8億8千万元※1で、今後さらに将来の業績に応じたマイルストーン払いが発生します。
本買収は両社で合意した条件の整備を終えた後、2018年中の手続き完了を目指しており、買収資金は手元資金による充当を予定しています。また、本買収に伴う2018年度のテルモの業績、財務状態に与える影響は軽微と見ております。
エッセン・テクノロジー社は、薬剤溶出型冠動脈ステント(DES)※2専業の企業です。テルモは中国において、ガイドワイヤー※3やバルーンカテーテル※4といったカテーテル手術に関する製品を中心に高成長を続けていますが、これまでステントは販売していませんでした。
テルモは現在、日本、欧州、アジア、中南米など40カ国以上で自社製のDESを販売しています。冠動脈カテーテル治療(PCI)の症例数が75万例を超え、今後も年率10%超の伸長を続け、数年後には世界最大市場になることが見込まれる中国が、本買収により、DESの販売地域に加わることになります。
現地生産品の重要性が増している中国市場にエッセン・テクノロジー社のDESで参入し、カテーテル事業の拡大を図ります。
エッセン・テクノロジー社の薬剤溶出型冠動脈ステント
テルモは事業軸で均質的なグローバル化を進める一方で、一部の地域では、市場性と自社プレゼンスに合わせた独自戦略を展開しています。中国では現地化対応を進めており、既に腹膜透析、腎除神経カテーテル、脳血管内治療などの分野では現地企業と提携しています。
会社名:易生科技(北京)有限公司(Essen Technology (Beijing) Co., Ltd.)
設立:2006年
本社所在地:中華人民共和国北京
事業内容:薬剤溶出型冠動脈ステントの開発・生産・販売
年間売上高:約1億4,000万元※1(2017年12月期)
社員数:約200人
資本関係:上海キネティック社(Shanghai Kinetic Medical Co., Ltd.)100%子会社
:買収金額...約144億円。エッセン・テクノロジー社売上...約23億円 (1人民元=16.4円で換算)
「ステント」:ステントは心臓の周りの細い血管(冠動脈)が狭窄したり、閉塞したりすることによって起きる狭心症、心筋梗塞などの治療に使用する埋め込み型の医療機器です。バルーンカテーテルで冠動脈を拡張した後、ステントを血管内に留置しますが、留置後に再び狭窄を起こすことがあるため、薬剤溶出型ステント(DES:Drug Eluting Stent)が多く使用されます。DESでは、留置後にステントに塗布した薬剤が徐々に周囲の組織に放出され、再狭窄の原因となる細胞増殖を抑制することが期待されています。
「ガイドワイヤー」:血管内カテーテル術で、血管内の道筋を確保する製品です。
「バルーンカテーテル」:先端にバルーン(風船)がついているカテーテルで、バルーンを膨らませることで、狭くなった血管を押し広げる製品です。
テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。
国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。
テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。