
News release
テルモのニュースリリースは、当社企業活動をステークホルダーの皆様にお伝えするためのものです。医療機器や医薬品の情報が含まれることがありますが、これらは報道関係者、株主・投資家等の皆様を対象にした情報であり、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
約4万人の大規模臨床研究の中間発表と併せてEuroPCRでデビュー
テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、このたび薬剤溶出型冠動脈ステント(DES)「Ultimaster Tansei」(アルチマスター タンセイ)を欧州で発売いたしました。2018年度にDES全体でグローバル売上220億円を目指します。
Ultimaster Tanseiは、2014年に発売したDES「Ultimaster」のステント、薬剤、ポリマー、コーティング方法は継承しつつ、複雑な病変でもスムーズな治療ができるように先端とシャフトを改良した製品です。先端は柔軟な素材を使用しながら耐久性の高い構造に、シャフトは強く押すことができ、かつ折れにくい設計を施し、使い勝手と通過性の向上を目指しました。
カテーテル治療分野における世界最大級の学会「EuroPCR 2018」(開催:5月22日~25日)で、Ultimaster Tanseiがライブ手術に使用され、また、従来のUltimasterを使用して行われた大規模臨床研究の中間発表もされました。この臨床研究は、世界各国400以上の施設で、37,000人を超える患者さんを対象に行われたもので、多くの医師から高い関心を集めました。
テルモはこれからも、医療従事者に最適な治療の選択肢を提供し、患者さんのQOL向上に貢献してまいります。
デリバリーシステム(先端とシャフト)を改良したUltimaster Tanseiイメージ図
アルチマスターは、血管内の通過性を向上させ、曲がった血管にも沿って留置しやすいように、ステントの素材としてコバルト合金を採用し、ステントデザインも工夫しています。
また、ステント血栓症の発生率低減を目指して、コーティングの材料として生分解性ポリマーを採用するとともに、ポリマーと薬剤を血管組織に接する面にのみ塗布しています。
ステントは心臓の周りの細い血管(冠動脈)が狭窄したり、閉塞したりすることによって起きる狭心症、心筋梗塞などの治療に使用する埋め込み型の医療機器です。
バルーンカテーテルで冠動脈を拡張した後、ステントを血管内に留置しますが、留置後に再び狭窄を起こすことがあるため、薬剤溶出型ステント(DES:Drug Eluting Stent)が多く使用されます。DESでは、留置後にステントに塗布した薬剤が徐々に周囲の組織に放出され、再狭窄の原因となる細胞増殖を抑制することが期待されています。
従来品Ultimasterイメージ図
薬剤溶出イメージ
テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。
国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。
テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。