静脈瘤・むくみ

1.むくみの基本の「き」

静脈瘤・むくみ

そもそも「むくみ」ってなに?

むくみとは、血液中の水分が血管外にしみ出して皮ふの下に拡がる皮下組織に水分が過剰にたまった状態をさします。主な原因は静脈のうっ滞(とどこおること)です。

むくみはなぜ、起こるの?

心臓から送られてきた血液は、本来であれば静脈を通って再び心臓に戻ります。しかし、血液を心臓に戻す力が不足すると、脚に溜まった静脈血をスムーズに戻せなくなり「むくみ」が生じます。このほか、静脈血はふくらはぎの筋肉など周りの筋肉の助けをかりて心臓の方向に押し上げられるのですが、立ちっぱなしや座りっぱなしでこの「筋ポンプ作用」が上手く働かないと、むくみやすくなります。

また、がんの治療の後遺症などで体液が流れる「リンパ節」が障害され、むくみが発症する「リンパ浮腫(ふしゅ)」もむくみを引き起こします。リンパ浮腫について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください

むくみのサイクル予防

むくみは日中から夜にかけてピークが生じます。昼間に昼寝や運動でリセットしてあげると、むくみの発症を予防することができます。

むくみのサイクル予防

むくみを予防しよう

毎日の生活のなかでむくみを予防するコツは次の3つです。

  • 十分な休息

    横になると脚に溜まった余分な水分が移動するほか、身体を巡る血液量が増大することでむくみが解消されます。
  • 運動をする

    脚を動かすとふくらはぎの筋肉が収縮して「筋ポンプ作用」が働き、静脈が収縮して血液を心臓方向に押し上げてくれます。軽い歩行や足首を動かすだけでも効果があるので、爪先の上げ下ろしなどを取り入れましょう。
  • 弾性ストッキング

    弾性ストッキングを着用することで脚を圧迫し、むくみを予防することができます。むくみ予防のためには膝下までのハイソックスタイプがお勧めです。日中、車椅子などを利用する、あるいは座っている時間が長い方は、むくみが少ない朝のうちに弾性ストッキングを履いておくとむくみの予防になります。

コラム弾性ストッキングとむくみと夜間頻尿の関係

日中に下半身にたまった体液は、就寝後に血管のなかに戻り、心臓から腎臓を経由して「尿」として排泄されるのですが、近年、このメカニズムが「夜間頻尿」の一因であることがわかってきました。このため、日中に弾性ストッキングを履いて足のむくみを予防することで、結果的に夜間頻尿や多尿の改善が期待できます。いちど、かかりつけの医師に弾性ストッキングの着用について相談してみると良いでしょう。
また、夜間頻尿・多尿の原因となる基礎疾患がある、あるいは尿量を増やすための薬を飲んでいる、など原因が明らかな場合は、治療と同時にセルフケアの一環として弾性ストッキングを利用しても良いかどうか、相談してみてください。

情報公開日:2022年3月31日

その他のコンテンツ

栄養・食事
日々の食事に役立つ情報をご紹介します。