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 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、このたび、光を用いて血管内の状態を診断するOFDI*1システムが、太ももからひざ下までを対象とした下肢動脈への適応追加の承認を取得したことをお知らせいたします。従来の心臓(冠動脈)への適応に加えて、下肢への承認を取得したのは国内で初めてです。

 テルモのOFDIシステムは、画像診断装置「ルナウェーブ(LUNAWAVE)」と撮影用カテーテル「ファーストビュー(FastView)」で構成されています。血管内に挿入したカテーテル先端部から近赤外光を当て、血管の断面を映し出す医療機器です。2013年4月の発売以来、国内250以上の病院にて、心臓カテーテル治療時に患者さんの冠動脈を確認するために使用されています。同様の目的で使用される血管内超音波診断システム(intravascular ultrasoundIVUS)に比べて約10倍解像度が高く、血管内プラークの性状評価やステントの留置状態を詳細に観察できる利点があります。

 下肢動脈は、冠動脈と比べて長く太いため、病変部をOFDIシステムで確認するのは難しいとされていましたが、多施設共同医師主導治験*2による検証と結果に基づき承認を取得いたしました。今後、下肢動脈疾患のカテーテル治療においても高解像度の画像で血管内を把握することが可能となり、適切な検査および手技に寄与することを目指します。

 治験を率先した神戸大学大学院医学研究科 内科学講座・循環器内科学 平田健一教授は、「このたび、日本発の医療機器が医師主導治験を通じて適応拡大できたことを喜ばしく思います。OFDIシステムがより多くの医療現場に届き、下肢動脈疾患の診断や治療の進展に寄与することを期待いたします。」とコメントしています。なお、本治験の結果は、心臓血管疾患学雑誌の一つである学会誌Heart and Vessels*3にも掲載されています。

 テルモは病変部までの道筋を確保するガイドワイヤーや、狭くなった血管を広げるバルーンカテーテルなど、下肢動脈用のカテーテル製品を幅広く展開しています。下肢動脈疾患における診断・治療の選択肢を広げ、患者さんの予後改善と医療の発展に今後も取り組んでまいります。

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    ルナウェーブ







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    ファーストビュー

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    OFDIシステムを用いた血管内診断(イメージ)

  • *1

    OFDI: Optical Frequency Domain Imaging(光干渉断層診断)

  • *2

    多施設共同医師主導治験とは、医師自ら治験を企画・立案し、共通の実施計画書に従い、複数の医療施設で行われる治験です。

  • *3

    Kawamori, H., Konishi, A., Shinke, T. et al. Efficacy of optical frequency domain imaging in detecting peripheral artery disease: the result of a multi-center, open-label, single-arm study. Heart Vessels 36, 818-826 (2021). https://doi.org/10.1007/s00380-020-01758-y

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報(開発中のものを含む)は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。