テルモ、クイレム・メディカル社を買収 「見える化」で、カテーテル肝がん治療分野を強化

2020年7月15日

 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、このたび、オランダ医療系スタートアップのクイレム・メディカル社を買収することに合意し、買収手続きが完了しました。テルモはクイレム・メディカル社株式の19.9%を保有しているため、このたび80.1%を同社創業者などから取得し、100%子会社としました。
 買収金額は一時金2,000万米国ドルで、今後一定の条件達成に応じたマイルストーンとして、2030年までに最大2,500万米国ドルの支払いが発生します。買収資金は手元資金による充当を予定しています。なお、本買収に伴う2020年度のテルモの財務状態に与える影響は軽微です。

 クイレム・メディカル社は、放射線放出ビーズ「QuiremSpheres」(クイレムスフィア)などを開発・生産する企業です。放射線放出ビーズは、カテーテルを通して肝動脈に運ばれ、放射線でがん細胞を攻撃します。治療の対象は、外科的に切除が難しい進行期から終末期の肝がんです。テルモは、2015年に同社に出資し、これらの製品のグローバルでの独占販売権を取得しました。
 2017年に欧州で発売されたQuiremSpheresは、世界で唯一、放射性同位元素Holmium-166を内包し、製品化されている放射線放出ビーズです。その元素の特徴から、従来はできなかったSPECT(Single Photon Emission CT: ガンマ線検出による画像診断)とMRI(磁気共鳴による画像診断)による画像診断が可能です。
 さらに、QuiremSpheresの投与前に使用し、粒子分布を予測する術前診断用のビーズ「QuiremScout」、SPECTやMRIのデータを元に、治療計画と治療評価をサポートする3D線量分布測定ソフトウェア「Q-Suite」と組み合わせることで、術前から術後までの一貫した画像診断が可能となります。カテーテルがん治療の可視化(見える化)により、患者さん一人ひとりに適した個別化医療が期待できます。

 カテーテルがん治療はグローバルで10億米国ドル以上の市場規模があり、年平均7%で成長していますが、放射線放出ビーズは、今後もこの成長を牽引することが見込まれています。
 テルモは、肝がんに対するカテーテル治療の領域で、放射線放出ビーズ以外にも、自社のマイクロカテーテル「Progreat」、塞栓用ビーズ「HydroPearl」、薬剤溶出型ビーズ「LifePearl」、生分解性薬剤溶出型ビーズ「BioPearl」などを展開し、存在感を高めています。
 このたびの買収を経て、同社の生産体制や臨床開発機能などを強化するとともに、製品展開を欧州からグローバルに拡大することを目指します。また、肝がんに対する幅広い治療の選択肢を揃え、この領域で貢献し続けながら、さらに他臓器のがん治療への応用検証も進めます。

  • QuiremScoutとQuiremSpheres

  • Q-Suite

クイレム・メディカル社概要

会社名 Quirem Medical B.V.
設立 2013年
本社所在地 Deventer, The Netherlands
社員数 約30人

*買収前は、テルモの「関連会社」に該当(テルモ持分は20%未満だが、重要な影響力を有していたため)

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