薬剤溶出ステントUltimasterの臨床試験「MODEL U-SES」に関するお知らせ 3カ月以降の単剤抗血小板療法の安全性と有効性を示す結果が米国学会で発表

2019年9月27日

 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、薬剤溶出型冠動脈ステント「Ultimaster」に関する臨床試験「MODEL U-SES」の結果が米国最大のカテーテル学会TCT*1 2019で発表されたことをお知らせします。
 冠動脈治療では、血管内に留置したステントによる血栓症を防止するために、治療後に抗血小板薬を二剤服用します(二剤抗血小板療法)。一方、抗血小板薬を服用することで、出血性合併症のリスクが高まるため、二剤を併用する期間は短い方が望ましいとされています。
 Ultimasterはコーティングの材料として生分解性ポリマーを採用するとともに、ポリマーと薬剤を血管組織に接する面にのみ塗布しています。これによって再狭窄の原因となる過度な細胞増殖を抑えつつ、血管内で早期の被覆化がされるため、二剤抗血小板療法が必要な期間の短縮が期待されていました。
 MODEL U-SES試験はUltimasterを留置後、二剤抗血小板療法から3カ月で単剤抗血小板療法へ移行した際の安全性・有効性を示すために、日本65施設の医療機関で、1,695名の患者を対象に前向き・単一群で実施されました。3カ月で単剤抗血小板療法に移行した場合でも、より長期に二剤抗血小板療法を続けた対照群と比較して同等の安全性・有効性が示されました。*2
 Ultimasterは欧州では2014年、日本では2015年に販売開始し、2018年にはデリバリーシステム(カテーテルの先端とシャフト)を改良した「Ultimaster Tansei」を発売しました。Ultimasterシリーズで、米国と中国を除く全世界で100万本を超える販売実績があります。
 本試験の責任医師である上妻謙教授(帝京大学医学部附属病院 循環器内科)は、「MODEL U-SES試験の結果から、二剤抗血小板療法の長期継続が困難な症例においても、Ultimasterステント留置後3カ月以降は、有効性を損なうことなく、安全に単剤抗血小板療法へ移行できる可能性が示唆されました」とコメントしています。
 テルモは本試験以外にも、4,300人を対象として、出血性合併症リスクの高い患者さんが1カ月のみ二剤抗血小板療法をした際の安全性・有効性を検証するランダム化比較試験「MASTER DAPT」を実施しています。MASTER DAPT試験の結果は2021年に出る見通しで、これらの試験結果を元に、これからも患者さんの安全と根拠に基づく医療に貢献してまいります。

  • *1

    Transcatheter Cardiovascular Therapeutics

  • *2

    本試験の主要アウトカム評価項目は、ステント留置後12カ月の総死亡、心筋梗塞、脳卒中(虚血性および出血性)、ARC Definite/Probableステント血栓症、重篤な出血(BARC 3または5)の複合評価項目。

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