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 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:鮫島 光)は、医薬品開発製造受託(CDMO*1)企業のWuXi Biologics社(ウーシー・バイオロジクス社 本社:中国 無錫市、CEO:Chris Chen)と、同社がドイツ レバークーゼンに有する薬剤製品工場を、1億5千万ユーロ(約246億円*2)で買収することを合意しました。

 テルモは、薬剤に適した素材を用いた薬剤充填用シリンジ等の容器ならびに投与デバイスを開発するとともに、高度な製造技術を活かした医薬品と医療機器のコンビネーションプロダクトのCDMO事業を手掛けており、同事業のグローバル化を今後の成長戦略の一つとして位置付けています。

 今回の買収で取得する薬剤製品工場を、テルモとして初となる海外のCDMO生産拠点として活用することにより、生産キャパシティの拡充ならびにグローバル対応力の強化を図り、CDMO事業のグローバル展開を加速させます。

 WuXi Biologics社から取得する薬剤製品工場は、GMP*3に準拠した最新鋭の設備や高度な専門性を持つ人財、生産ノウハウおよび生産実績を有しています。テルモは今後、これらの資産を活かして同工場においてプレフィルドシリンジ製剤やバイアル製剤の開発・生産を開始し、バイオ医薬品の急速な成長に伴い欧米を中心に高まっているCDMOの需要に対応します。

 テルモは現在、甲府工場、富士宮工場、山口工場にCDMO生産拠点を設けています。2023年12月に山口工場の生産ラインを拡充したほか、2025年度中に竣工予定の甲府工場の新棟にも新たな生産ラインの導入を計画するなど、事業の拡大にあわせて生産キャパシティを継続的に強化しています。新たに欧州にCDMO生産拠点を持つことで、国内外の製薬会社からのニーズによりきめ細やかに応えるためのグローバルオペレーション体制の強化を図ります。

 本買収について、テルモ代表取締役社長CEOの鮫島 光は次のように述べています。
「今回の薬剤製品工場の買収は当社のCDMO事業の競争力強化に向けた重要なステップであり、WuXi Biologics社と合意できたことを大変うれしく思います。レバークーゼン工場の高品質で安定した生産オペレーションと、それを支える優秀な人財をテルモと融合することで、CDMO事業のグローバル対応力を更に高いレベルへと引き上げることができると確信しています。」

 テルモが取得する薬剤製品工場の概要は以下の通りです。

所在地        :ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン州 レバークーゼン
敷地面積    :13,000㎡
事業内容    :バイアル製剤の開発製造受託(工場取得時)
従業員数    :約150名

*1 CDMO:Contract Development & Manufacturing Organization。医薬品開発製造受託を指す。
*2 1ユーロ=164円で換算
*3 GMP:Good Manufacturing Practice。医薬品の製造所における製造管理と品質管理に関する基準を指す。

テルモのCDMO事業

テルモのCDMO事業は、製薬会社とのパートナーシップを通じて、コンビネーション製品の設計、製造、薬事申請までトータルに支援します。市場が拡大しているバイオ医薬品は注射による投与が主流となっており、薬剤の特性にあわせて適切な容器や投与デバイスを開発する技術や、容器への無菌充填を行う技術などの重要性が高まっています。テルモは、プレフィルドシリンジ製品で培った独自の技術やノウハウを生かすとともに、注射針・シリンジポンプといった投与デバイスを製薬会社向けに開発・提供することで、薬剤が抱える課題の解決と薬剤の付加価値向上をグローバルに支援しています。

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報(開発中のものを含む)は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。