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 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:鮫島 光)は、経皮的冠動脈形成術(PTCA*)用のガイドワイヤー「Runthrough NS Izanai」(以下、Izanai)を国内で販売開始しました。IzanaiはRunthrough NSシリーズの新製品で、「先端部コアの優れた耐久性と安定した潤滑性」といったシリーズのこれまでのコンセプトを引き継ぐとともに、医療現場のニーズに応えた改良を加え、さらなる安全性とスムーズな操作性を追求したガイドワイヤーです。

Runthrough NS Izanai

 

 経皮的冠動脈形成術は、心臓に酸素と栄養を届ける冠動脈が狭窄や閉塞したことにより起こる、狭心症や心筋梗塞などに対する治療のひとつです。手首や大腿部の血管からカテーテルを挿入し、冠動脈の病変部を押し広げることで、滞っていた血流を再度確保します。PTCAガイドワイヤーは、血管を押し広げる役割を果たすバルーンカテーテルなどを病変部まで運ぶための医療機器です。

 経皮的冠動脈形成術においては、急な角度に分岐した血管や蛇行するような血管でも、ガイドワイヤーをスムーズに追従させることが求められています。たとえば、血管に鋭角な分岐部がある場合には、ガイドワイヤーと血管壁の間で摩擦抵抗が生じ、ガイドワイヤーが分岐部を曲がれずに別の方向へ進んでしまうことがあります。分岐部の通過が困難になるだけではなく、繰り返し分岐部へ入れ直すことによって意図せず血管を傷つけるリスクも懸念されるため、安全でスムーズな治療への課題となっています。このたび発売したIzanaiは、先端荷重の軽量化、コーティング、材質などの組み合わせにより、こうした現場の課題解決と機能性の向上を目指しました。

血管分岐部における製品使用イメージ

 

 Izanaiは、安全性の追求から先端荷重を0.6グラム重と軽くしたことに加えて、スムーズな通過性をもたらす親水性フルコーティングや、柔軟でありながら形状保持をしやすい超弾性のニッケルチタン合金コアをシリーズの従来製品と同様に採用しています。こうした重さやコーティングなどのトータルバランスの調整により、適度な滑らかさや柔軟性と、優れた耐久性を併せ持つことで、分岐部や蛇行した血管でもより安全でスムーズな操作をサポートします。
 また、複数の異なるガイドワイヤーを使用する際の識別のしやすさにも配慮し、他のガイドワイヤーとの取り違えを防止するために、Izanaiはガイドワイヤーシャフトを白色にすることで見分けやすくしています。

 Runthrough NSシリーズは、世界115の国と地域で販売されており、Izanaiは2022年11月より米国でもすでに展開されています。テルモはこれからも、医療従事者に最適な治療の選択肢を提供し、患者さんのQOL向上に貢献してまいります。
 

 

* Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty

 

製品概要

販売名:テルモPTCAガイドワイヤー2
一般的名称:心臓・中心循環系用カテーテルガイドワイヤ
医療機器承認番号:30600BZX00039000
 
 

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

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