令和４年度関東地方発明表彰 「東京商工会議所会頭賞」 を受賞

薬剤溶出型冠動脈ステント（DES）の薬剤塗布技術を評価

　テルモ株式会社（本社：東京都渋谷区、社長：佐藤 慎次郎）は、カテーテル治療で使用する、薬剤溶出型冠動脈ステント（DES：Drug Eluting Stent）に関する特許発明について、公益社団法人発明協会（所在地:東京都港区、会長:内山田 竹志）が主催する「令和4年度関東地方発明表彰」の「東京商工会議所会頭賞」を受賞したことをお知らせします。このたびの表彰は、薬剤塗布層における特徴が評価されました。今回、テルモは4年連続の関東地方発明表彰の受賞となります。

　DESは、心臓の周りにある血管（冠動脈）が狭窄または閉塞することによって起きる狭心症や心筋梗塞などの治療に使用されます。血管の中にカテーテルを挿入し、メッシュ状の筒（ステント）を血管内に留置し狭窄部を内側から広げます。留置後は、ステント表面に塗布した免疫抑制剤が徐々に周囲の組織に溶出され、再狭窄の原因となる細胞増殖を抑制します。

　テルモが発明したDESは、薬剤塗布層の厚さが位置によって異なる特殊な「Gradient Coating（グラディエントコーティング）」を採用しています。屈曲した血管にもステントが追従するように、ジグザグ形状の節を多数組み合わせた「多関節構造」をしています。ステントを拡張する際、各節の接合部やジグザグの山となっている部分に圧力が多くかかるため、それらの部分に向かって薬剤コーティングの厚さを徐々に薄くすることで、コーティングに亀裂が生じたり、剥離してしまうのを防止することを目指しました。今回の受賞では、このような特許技術を生かし、テルモのDESが医療現場に貢献していることが評価されました。

　テルモはこれからも、価値ある製品やサービスを通して、「医療の進化」と「患者さんのQOL向上」に貢献してまいります。