
News release
テルモのニュースリリースは、当社企業活動をステークホルダーの皆様にお伝えするためのものです。医療機器や医薬品の情報が含まれることがありますが、これらは報道関係者、株主・投資家等の皆様を対象にした情報であり、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、このたび米国子会社のTerumo BCT, Inc.(テルモBCT)が米国政府より、凍結乾燥血漿(Freeze-Dried Plasma)の研究継続用に1,060万米国ドル(約13億8千万円)の助成金を受給したことをお知らせいたします。今回の契約は、国防保健局(Defense Health Agency)が後援し、海軍医学研究センター(Naval Medical Research Center)によって管理されている生物医学技術コンソーシアム(MTEC)との契約になります。MTECは米国陸軍医学研究開発司令部とのその他の取引契約に基づいて協力しており、紛争地帯での医療の進歩を推進しています。
血漿は人間の血液中の成分で、血液凝固を担うタンパク質が含まれているため、重篤な出血の治療に使用されます。現在ほとんどの血漿製剤は凍結保存され、使用する際は解凍が必要となり、緊急を要する状況で迅速に使用することが困難です。
現在テルモBCTが開発を進めている凍結乾燥血漿は、血漿製剤の一つです。血漿を凍結乾燥(フリーズドライ)し、使用する際は注射用水と混和し数分以内で輸血の準備をすることができます。凍結乾燥した状態で室温保存することが可能で、注射用水による溶解後は、適切な条件下で約5日間の冷蔵保存*が可能です。凍結乾燥血漿を保存するテルモBCTが開発中のバッグは、従来と同様の輸血用バッグを採用しており、凍結乾燥した血漿粉末をすばやく溶解することができます。運搬のしやすさや、利用する際の簡便性から、紛争地帯や災害時での活用が期待されます。
テルモBCT Global Blood SolutionsのゼネラルマネージャーChetan Makamは、「凍結した血漿製剤を積んだ巨大な冷蔵庫を戦闘地域や外傷現場へ運ぶことは非常に困難です。また、米国では主要都市圏以外の多くの医療機関では、凍結した血漿製剤の管理物流網が整っておらず、血漿製剤をすぐに使用することができません。凍結乾燥血漿の実用化はまだ先になりますが、今回の助成で製品開発や臨床試験などがさらに前進し、重度の出血に対して、いつでもどこでも最適な治療を提供できるようになる日を目指しています」とコメントしています。
今回の助成金受給により、テルモBCTは、引き続き輸血医療への革新と、公平で安全な医療アクセスを実現するための重要な研究開発を継続することが出来ます。これからも、医療を通じて社会に貢献し、私たちのパーパスである「医療の進化」と「患者さんのQOL向上」に寄与してまいります。
テルモは、世界に向けて医療の革新に挑戦し続けるメディカルイノベーションカンパニーです。患者さんへの揺るぎない思いとアソシエイトたちの情熱を原動力に、企業理念「医療を通じて社会に貢献する」の実現を目指しています。
1921年に東京で創業し、今では、治療技術、院内オペレーション、ライフサイエンスなどの分野で、160以上の国や地域に幅広いソリューションを提供しています。