Move to topTop

 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、このたび欧州のパートナー企業と共同開発契約を締結し、テルモのインスリンポンプ「メディセーフウィズ」が、スマートフォン型端末で操作が可能になる、新たな開発に着手します。これにより、メディセーフウィズの操作性向上を実現するとともに、インスリンポンプを使用することがさらに日常生活に溶け込むことを目指します。スマートフォン型端末は、メディセーフウィズを操作するためだけの専用端末になります。

 インスリンポンプを必要とする1型糖尿病の患者さんは、膵臓からインスリン分泌がほとんどされないため、インスリン投与を必ず行う必要があり、注射の場合は通常14回以上投与します。インスリンポンプを使用することで注射の回数は減るものの、依然、投与操作の煩雑さや周りの目が気になるなどの心理的負担が考えられます。現在のリモコンに代わってスマートフォン型端末で操作できるようになることで、今まで以上に、糖尿病患者さんが「糖尿病を感じない」ことをコンセプトにしています。

 今年、テルモは創立100周年を迎えました。また、インスリンの発見からも100年を迎えます。月日を重ね、医療技術は進歩している一方で、1型糖尿病は未だに根治は難しく、患者さんは日々治療と向き合い生活しています。テルモも引き続き、糖尿病治療へ貢献し、より良い医療と社会課題の解決に挑戦してまいります。

  • 20211108-1.png

    メディセーフウィズを操作するスマートフォン型端末のイメージ

  • 20211108-2.png

    「テルモ100周年」と「インスリン発見100周年」のポスタービジュアル

インスリンポンプ療法とは

 世界には、毎日のインスリン投与が欠かせない1型糖尿病の患者さんは20歳以下だけでも約110万人以上*1存在し、年々増え続けています。1型糖尿病は、膵臓でインスリンを作っているβ細胞が破壊されてインスリン分泌がほとんどされなくなり、高血糖状態が続くことで、網膜症や腎症などの合併症リスクが高まる病気です。そのため、注射やポンプによるインスリン投与を必ず行う必要があり、注射の場合は通常14回以上投与します。

 インスリンポンプ療法とは、携帯型ポンプを用いて持続的にインスリンを注入して血糖をコントロールする治療法です。皮膚から数mmの皮下と呼ばれる層にカニューレの先端を留置して、インスリンを持続的に投与します。注射をすることなく、食事や運動などの日中の活動に合わせてインスリン投与ができることから、頻回の自己注射に比べて血糖値変動が改善され、合併症の予防にも効果があると報告されています。*2, *3

  • 20211108-3.JPG

    パッチ式インスリンポンプによる投与イメージ

メディセーフウィズとは

 メディセーフウィズは、2018年に発売した日本初のパッチ式インスリンポンプです。身体にインスリンの入ったポンプを装着するチューブレス仕様のため、糖尿病患者さんの行動を制限せず、治療が続けられることをコンセプトにしています。

 投与操作は、無線通信で繋がっているタッチパネル式のリモコンによって、基礎投与(べーサル)や追加投与(ボーラス)などの各種設定を行います。

 今までパッチ式のインスリンポンプは、チューブ式と比べて投与精度が劣ると考えられていましたが、メディセーフウィズは iCURADRIVEという独自の投与技術を用いることで、チューブ式と同等の高い精度を実現しています*4。日本では現在、500名以上の患者さんが使用されており、欧州でも2021年初旬から展開を進めています。

  • 20211108-4.jpg

    メディセーフウィズ使用イメージ

  • 20211108-5.jpg

    日常シーンでの使用イメージ

  • *1

    International Diabetes Federation. IDF Diabetes Atlas, 9th edn. Brussels, Belgium: International Diabetes Federation, 2019.

  • *2

    Isabelle, Steineck. "Insulin pump therapy, multiple daily injections, and cardiovascular mortality in 18168 people with type 1diabetes: observational study" BMJ,2015;350:h3234
    https://www.bmj.com/content/350/bmj.h3234

  • *3

    John, C. Pickup. "Management of diabetes mellitus: is the pump mightier than the pen?" Nat. Rev. Endocrinol. 8, 425-433 (2012);

  • *4

    Journal of Diabetes Science and Technology. 2021 Mar 19; 19322968211000441

関連リンク

テルモ糖尿病ケアサイト:https://mds.terumo.co.jp/

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報(開発中のものを含む)は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。