テルモ、胸部大動脈治療用のフローズンエレファントトランク「Thoraflex Hybrid」を日本で発売

血管事業の製品ラインアップを強化

　テルモ株式会社（本社：東京都渋谷区、社長：佐藤 慎次郎）は、7月1日付の保険適用を受け、胸部大動脈治療で使用するフローズンエレファントトランク「Thoraflex Hybrid」（ソラフレックスハイブリッド）を日本で販売開始します。このたびの上市により、大動脈治療の国内製品ラインアップを強化し、より幅広い症例にソリューションを提供してまいります。

　
　大動脈は身体で最も太い血管で、心臓から様々な臓器へ血液を供給しています。血管壁の一部が膨らみコブ状の瘤になってしまう大動脈瘤や、血管壁に亀裂ができてしまう大動脈解離は命に関わる重篤な疾患です。現在、病変部分を外科的に人工血管に置き換える手術や、カテーテルを用いて血管内からステントグラフトを挿入する手術が主な治療方法となっています。

　Thoraflex Hybridは、弓部大動脈と下行大動脈の広範囲にできてしまった瘤や解離などを治療する医療機器で、人工血管とステントグラフトを組合わせたハイブリッド型の製品です。2つの機能を一体化させることで、より低侵襲に治療することができ、手術時間の短縮や術後の早期回復が期待できます。
　人工血管部分は、テルモが長年販売してきた実績のあるポリエステル製の人工血管を採用しています。ステントグラフト部分は、独立したニッケルチタン合金製のリングを織布に縫い付けることで大動脈の走行に柔軟に追従するよう設計されています。Thoraflex Hybridは、2012年に欧州のCEマーク、2022年に米国食品医薬品局（FDA）承認を取得し、世界初の4分枝付きフローズンエレファントトランク^*として、50か国・累計1万3000本の販売実績があります。

　テルモは、Terumo Aortic（テルモアオルティック）というブランドで血管事業を展開し、胸部および腹部の大動脈治療で用いる人工血管やステントグラフトなど幅広い製品ラインアップを揃えています。これからも革新的な製品とソリューションの提供を通じて、医療の進化と患者さんのQOL向上に貢献してまいります。