TERUMO STORY エピソードで綴るテルモの歴史 SINCE1921

もどる

薬剤取り違えをなんとかしたい
───プレフィルドシリンジの開発

医療機器技術と製剤技術を融合させて

「これまでのようにアンプルやバイアルに入った注射剤を注射器(シリンジ)に吸引したり、他の薬剤に配合したりしていては、薬剤の取り違えは防げない。それに注射するまでに手間もかかってしまう。なんとかならないものだろうか」。

こんな発想からある製品がテルモから誕生しました。それが初めからシリンジに薬剤を詰めておく「プレフィルドシリンジ」です。

薬剤とシリンジの融合商品、それは医療機器の技術と注射剤の製剤技術の両方を持っているテルモにとって得意技といってもよい分野でした。海外ではすでにプレフィルドシリンジは市場に出回っていましたが、その多くはガラス製でした。テルモは割れにくく安全であることに加えて、廃棄しやすいことからプラスチック製のプレフィルドシリンジの開発を目指すことにしました。

もし、阪神淡路大震災に間に合っていたら・・・・・・

ビタジェクト ビタジェクト

プレフィルドシリンジに充填する薬剤は、総合ビタミン剤、電解質、ブドウ糖などの輸液配合薬でいくことにしました。高カロリーの輸液剤を患者さんに投与するときには必ず総合ビタミン剤を補給することが必要で、また、患者さんの状態によっては電解質やブドウ糖の量を補正する場合もあります。これらをプレフィルド化しておけば、作業は簡単になり、また、間違いも起こりにくく安全性が高まります。

ただ、実際に開発するとなると、なにしろ初めての試みだっただけに、開発から生産体制までさまざまな難問につきあたりました。しかし、プレフィルドシリンジ開発に情熱を燃やしたアソシエイトの努力で、1999(平成11)年12月、プレフィルドシリンジとして、高カロリー輸液用総合ビタミン剤「ビタジェクト」、補正用電解質液やブドウ糖注射液「メディジェクト」シリーズを市場に出すことができたのです。

テルモのスタッフがプレフィルドシリンジ開発に力を注いでいたとき、1995年1月に阪神淡路大震災が起き、多くの病院ではガラスのアンプルが損傷するなどして、注射ができず、救急治療に支障をきたしました。阪神淡路大震災を経験したドクターは、テルモのプレフィルドシリンジを見たとき、「あの震災のとき、これがあったらもっと多くの患者さんを救えたのに…」と口々におっしゃいました。

テルモはその後もさまざまなタイプのプレフィルドシリンジを世に送りだし、医療の安全性、災害時や救急時の医療に貢献し続けています。

このページの先頭へ

前の記事へ

次の記事へ