TERUMO STORY エピソードで綴るテルモの歴史 SINCE1921

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糖、アミノ酸、電解質をワンバッグ配合
───ユニカリックの誕生

より簡略で安全な高カロリー輸液を開発したい

口から栄養を摂取できない患者さんには、一日に必要な栄養素を直接血管内に点滴注入する輸液療法が施されます。このときに点滴注入するのが、糖とリンやカルシウムなどの電解質、そしてアミノ酸を配合した高カロリー輸液です。

日本初の高カロリー輸液用の基本液が発売されたのは、1979(昭和54)年のことでした。この基本液は、リン入りとカルシウム入りの2種類があり、これらにアミノ酸を配合するタイプのもので、病院ではこの2種類の基本液にそれぞれアミノ酸を混合する作業が必要でした。作業は煩雑で、しかも作業過程で感染症を誘発する危険性も高くなります。テルモでは、この作業をさらに簡略化できないかと研究を重ね、1980年に基本液を一つのバッグにした「ハイカリック液」を市場に提供しました。同時にそれまでのガラス容器を軽くて割れないソフトバッグに変更しました。

しかし、それでも基本液とアミノ酸を病院で混合する作業は必要で、病院スタッフの負担になるとともに、感染症を引き起こすリスクは解消されませんでした。

ブドウ糖とアミノ酸の生成物を低減する

風土改革と並行して、社員の意思や企業の価値観を表現する企業理念についても検討が進められました。

そこで、テルモの研究開発スタッフは、基本液とアミノ酸を一つのバッグにすることができないかと考えました。しかし、そのためには大きな問題が立ちはだかっていました。基本液に含まれるブドウ糖とアミノ酸を一緒にすると、徐々に反応しあって変質してしまう問題です。テルモでは田辺製薬(株)と共同で、より簡便、安全であることをコンセプトにブドウ糖が入った基本液とアミノ酸をワンバッグにする一剤化キットの開発に取り組んだのです。

ユニカリックL/N ユニカリックL/N

「高濃度のブドウ糖とアミノ酸の反応をどう抑えていったらよいか」。それが最大の課題であり、スタッフは連日討論し、実験を重ねていきました。そして製剤の際の滅菌方法を工夫することなどによって、ブドウ糖とアミノ酸の反応によって生じる生成物を低減できることを発見したのです。

1996年、当初の予定より1年遅れましたが、ついに厚生省(現厚生労働省)の認可を取得、糖と電解質、アミノ酸が一体となった高カロリー輸液「ユニカリックL」「ユニカリックN」の販売を開始したのです。これによって病院での投与前の成分混合作業が不要となり、調剤の安全性がより高まったと高く評価されたのでした。

 

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