TERUMO STORY エピソードで綴るテルモの歴史 SINCE1921

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世界初、中空糸型人工肺開発
───人工臓器分野を開拓

手術時、患者さんの生命を維持する人工肺

心筋梗塞、狭心症、弁膜症などの心臓病や血管の病気などの手術をする場合、心臓を止めなければなりません。手術の間、患者さんの生命の維持に必要になるのが、血液を体外で循環させ、人工肺で酸素などのガス交換を行う人工肺システムです。

テルモは中空糸型の人工肺の開発に成功し、1982(昭和57)年キャピオックスIIの販売を開始しました。

人工肺中空糸膜は、ガス交換機能を有する膜で疎水性のポリプロピレン製の素材でできています。その中空糸膜には多数の小さな孔が空いています。この小さな孔は、血液は通過せず、ガスだけを通過させるので、中空糸膜の内側に血液を流し、外側に酸素ガスを通過させることでガス交換を行う仕掛けになっていました。

キャピオックスE以降の人工肺は内側に酸素ガス、外側に血液が流れる構造となっています。

テルモの人工臓器の開発につながる

米国で使用中のキャピオックスE 米国で使用中のキャピオックスE

テルモでは、すでに人工腎臓(ダイアライザー)に中空糸膜を使っていたのですが、人工肺に使うとなると、血液が流れる量が段違いに多く、また、生命に直結した商品であるだけに、高度な医療技術を学ぶことが必要でした。研究を積み重ね、やっと試作品の製作にこぎつけ、日本の病院はもとより心臓外科のメッカである、アメリカのクリーブランド・クリニックでも高い評価を得ることができました。こうして、世界で初の中空糸型人工肺が誕生したのです。

1987年には「キャピオックスE」、1993年には患者さんの体の負担を軽くできる小型化商品「キャピオックスSX」を発売、貯血槽、人工肺・熱交換器を一体化し、システム化に成功しました。

 

クリーブランド・クリニックに展示されているキャピオックスEとII クリーブランド・クリニックに展示されている
人工肺のプロトタイプ

この間、それまで外注していた人工肺用の中空糸膜をテルモで開発・製造にチャレンジ、さらに高品質な中空糸膜を生産できるようになったのです。

人工腎臓、人工肺の開発は、その後、人工皮膚、人工血液さらには人工心臓など、テルモの人工臓器の開発につながっていきました。

 

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