助成先一覧

2017年度

選考委員会講評

今年度も日本伝統文化である染織と仏教美術が対象であるが、私自身が伝統芸能に身を置く者として、伝承継承に同じ悩みを抱えて、次世代へ遺すべき現在の苦悩が身にしみる。
多くの助成申請者の内容を拝見、検討し採点に及ぶに当たり選考に悩ましい限りです。然るに私の選ぶ基準としては、単なる作家の作品活動や、活動の記録や、大きな組織の研究活動よりも、個人の地道な基礎的な伝承継承に取り組む作家や研究者に支援をすべきと考える。然し申請者(団体)皆さん真摯に伝統の保存継承に取り組んでいる姿勢には感服敬服する処です。
染織の受賞者の方々は伝統の継承や、元の養蚕や琉球紅型、刺し子や古代織物の復元等貴重な研究、継承に取り組みに支援を当てた。作家の伝統文化作品制作は重要だが、その裏面側面を支える技術者の絶滅が案じられる。
又仏教美術に於いて重文、国宝等の彫刻等の保存修理は国の仕事。
各地に存在する郷土に根付いた民間信仰の発掘や保存に光を当てて行く事が大事。
国の為すべき事業に代わって支援する当支援活動に敬意を表する次第です。

重要無形文化財保持者 十一世鶴賀流家元
鶴賀 若狭掾

今年度も昨年度に引き続き、染色、漆芸、仏教美術の分野に限り公募をして、各分野より伝統工芸技術の継承、後継者の育成、研究、そして、伝統工芸を用いた作品制作など多様な応募を頂きました。厳正なる審査の結果、先ずは、放置していれば消滅しかねない伝統工芸の保存、継承に寄与するかという点を考慮して助成先を選ばせて頂きました。特に今年は、琉球王国の紅型色材研究、米沢刺し子、米沢古代織物の復元制作、佐渡島の仏教伝来を示す宮彫の研究及び模刻制作など、それぞれの地域ならではの独特の、しかし、光の当たりにくいものに対する助成申請が目立ちました。改めて、日本の各地にまだまだ知られていない伝統工芸が存在し、更にそれらの保存、継承、復活、研究に尽力されている方々がいらっしゃることに頭が下がる思いです。今回助成先となられた皆さまの活動や研究が滞りなく実施され、助成がお役に立つことを祈念しております。

一般社団法人アーツアライブ 代表理事
尚美学園大学大学院芸術情報研究科 准教授
林 容子

今年度も、個人や法人から多数の応募をいただいた。著名な大学・研究機関から専門性の高い研究や後継者育成の助成申請も含まれていた。研究課題の新規性、事業計画の合理性と実現性、同時に、助成金受託後の助成する側の規定に即した報告実績によって今回の審査結果となった。また新規性はあるものの萌芽的事業計画には、期間と助成額の調整をお願いすることとした。本助成金を受託された皆様方、また、ご応募いただいた皆様方の益々のご活躍を祈念いたしております。

アーティスト
東京藝術大学名誉教授
たほりつこ

染織

申請者・団体名 プロジェクト・事業名 助成金額
渡名喜 はるみ 琉球紅型型紙の復刻版制作・琉球王国時代の紅型色材研究・衣装本作製 50万円
阿部 宇洋 米沢市伝統技術「原方刺し子」の詳細記録の作成と図案の研究 100万円
株式会社あきやま
秋山 眞和
手袖織物継承に向けた原種養蚕ならびに後継者育成事業 100万円
株式会社白根澤
白根澤 義孝
北限の米沢古代織物の復元制作と技術継承 100万円

仏教美術

申請者・団体名 プロジェクト・事業名 助成金額
古玉 かりほ 仏像に見る、佐渡島の仏教伝来と彫り師の系譜 50万円
小野 貴登司 建築物と彫刻に埋没した日本文化財「宮掘り」・再考プロジェクト 100万円
身延町
望月 幹也
生誕三百年 木喰展 ~故郷に還る、微笑み。~ 100万円
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