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 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎次郎)は、テルモが製剤の受託製造を予定しているバイオシミラーの販売承認申請が、5月18日、欧州医薬品庁(EMA)に受理され、審査が開始されましたので、お知らせいたします。

 本剤には、テルモの薬剤充填用注射器「PLAJEX」が容器として採用されており、PLAJEXに充填された医薬品が海外で申請されたのは初めてです。

 テルモは今回の実績をもとに、今後も、薬液充填用注射器の素材技術や無菌充填技術などを活かし、製薬企業とのアライアンス事業を拡大してまいります。

PLAJEX概要

 PLAJEXは、バイオ医薬品にも対応できるように開発された、プラスチック製の薬剤充填用注射器です。シリコーンオイル不使用、オートクレーブ滅菌といったバイオ医薬品の凝集や酸化などのリスク低減を目指した設計・製法が特徴です。※1

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    薬剤充填用注射器「PLAJEX」

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    薬剤充填用タブとネスト

本剤概要

 本剤は、協和キリン富士フイルムバイオロジクス株式会社※2が開発するヒト型抗TNF(腫瘍壊死因子)-αモノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」バイオシミラー(開発番号:FKB327、先発薬:ヒュミラⓇ※3)です。2016年10月には、第3相国際共同試験において、先発薬に対する同等性が確認されました。

 テルモは、本剤を医薬品と医療機器を組み合わせたコンビネーション製品として、協和キリン富士フイルムバイオロジクス株式会社等と共同で開発を進めてまいりました。本剤は、テルモの100%子会社であるテルモ山口D&D株式会社が薬剤充填など製剤の受託製造をする予定です。

  • ※1

     シリコーンオイルは、薬剤充填用注射器の滑らかな摺動性を確保するための潤滑剤として古くから用いられるものの、バイオ医薬品に含まれるたんぱく質の凝集を誘起する事例が報告されています。そこで、PLAJEXは、シリコーンオイルを使わなくても、安定的かつ滑らかな摺動性を発揮するテルモ独自のi-coatingを採用しています。

 また、滅菌法によっては、注射器内にラジカル(不対電子を持つ原子、分子、イオン)が発生することが知られており、バイオ医薬品酸化の要因の一つとして、注射器内に発生し残存したラジカルの関与が推察されています。オートクレーブ滅菌は、ラジカルを積極的に発生させないため、バイオ医薬品の酸化リスクを低減できる滅菌法として、PLAJEXに採用されています。

  • ※2

     協和キリン富士フイルムバイオロジクス株式会社は、2012年3月27日に富士フイルム株式会社と協和発酵キリン株式会社が設立したバイオシミラーの開発・製造・販売会社です。

  • ※3

     ヒュミラはアッヴィバイオテクノロジーリミテッドの登録商標です。

テルモ概要

テルモは、「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、100年の歴史を持つ医療機器メーカーです。日本に本社を構え、世界160以上の国と地域で事業を展開、30,000人以上のアソシエイト(社員)が革新的なソリューションを届けるために日々働いています。

国産体温計の製造に始まり、設立以来、医療の基盤を支え続けてきました。現在は、カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスを提供しています。

テルモは、患者さんや医療従事者をはじめ、広く社会にとって価値ある企業を目指します。

プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報(開発中のものを含む)は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。