技術を組み合わせ、糖尿病治療にもっと「自分らしさ」を

メディセーフウィズは、初の日本製パッチ式インスリンポンプ。人目を気にせず手元のリモコン操作で血糖管理をコントロール。
体に貼れるパッチ式だから、服装を選ばずおしゃれも楽しめます。

持続インスリン皮下注入療法とは1型糖尿病患者さんの抱える悩みは

持続インスリン皮下注入療法(CSII; continuous subcutaneous insulin infusion) は、インスリンポンプを装着し、皮下に留置したカニューレからインスリンを持続注入する療法です。

頻回インスリン療法(MDI;multiple daily insulin injection)と比べて合併症リスクを抑制できることから、欧米を中心に普及しており、患者さんのライフスタイルに合わせてチューブ式※1とパッチ式※2の選択が可能です。

  • ※1

    留置部とポンプ本体がチューブでつながれた構造

  • ※2

    留置部とポンプ本体がチューブレスの構造

一方日本では、チューブ式しかなく、1型糖尿病患者さん10万人のうち1割程度とまだあまり普及していません。1年以内にCSII療法を中断した患者さんに対してテルモが行った調査では、「ポンプを携帯するのが邪魔」、「合併症や投与トラブルの発生」、「クラブ活動などで長時間外さなくてはならず生活パターンに合わない」といった理由が挙げられています(テルモ調べ)。

また、1型糖尿病患者さんに対する誤った理解や偏見から、病気のことを言えず、悩みを抱えて生活している人もいます。ポンプを用いて治療を行いながら生活することは、身体的な負担だけではなく、心理的な負担も伴い、社会問題として注目されつつあります。

日本初のチューブレス構造の開発多様な技術を持ち寄って「患者さん目線の使いやすさ」に挑む

テルモは、CSIIを行う患者さんや医療従事者の声を元に、「身体的な負担」と「心理的な負担」から解き放つことを目指し、日本初チューブレス構造のパッチ式インスリンポンプの開発プロジェクトをスタートしました。

その中核コンセプトは、「患者さんの生活スタイルを制限しない」、「安全な投与が可能」、「使い勝手が良い」の3点です。

このコンセプト実現のため、いくつも試作品を作りながら試行錯誤を繰り返しました。テルモには幅広い製品群を支える多様な技術があります。輸液ポンプの薬液を適切に送るための制御技術や、注射針に代表される針の加工技術、点滴用の留置針に用いられる生体に安全な材料技術、そしてこれらを安心して使用する為の滅菌技術。また、医療現場や患者さんの自宅などで医療機器が用いられるシーンや習慣に合わせた製品の設計やデザイン、ユーザーインターフェースのノウハウなど。テルモの多種多様な技術を組み合わせ開発がすすめられました。

ユーザビリティ設計「もっと小さく」、「精密な投与」 患者さんと医師、二つの想いに応えたい

3つの中核コンセプトを実現するためには、「小型化」と「精密投与」という2点の技術課題を解決する必要があります。その背景には、「自由に生活したい」と願う患者さんの想いと「より安全・正確に」と願う医師の想いがあると開発者は考えました。医療機器の開発においてはしばしば、「患者さんの想い」と「医師の想い」、どちらか一方にフォーカスしてしまうことがあります。テルモは双方の想いを両立するための技術を探索しました。

小さなボタン電池でも動かせる省電力設計=「患者さんの想い」

ポンプ部分をより小型化するためボタン電池に着目しました。通常はボタン電池は非力なため、このような医療機器で使用されることはあまりありません。無線通信とポンプの制御が適切に行えるように、電力を用いるタイミングの調整や、回路基板や小型歯車の設計に独自の工夫を施しています。

微量で精密な投与制御を実現した‟iCURADRIVE”=「医師の想い」

小型で携帯性の良さを追求する一方、ポンプの最も重要な機能としてごく微量の薬液を精密にコントロールして投与することが挙げられます。このため、入力されるパルス信号に合わせて動作し、回転角度レベルで投与量を精密制御できる小型ステッピングモーターを採用しました。この技術とカートリッジのすりあわせで実現した微量精密投与制御技術(iCURADRIVE)により、34gという小型で携帯性のよいパッチポンプでありながら、0.5μL/hの送液を実現することができました。

モーター構造イメージ図
カートリッジとポンプ本体

操作手順を簡便にするユーザビリティ設計=「両者の想い」

患者さんにとっての「使いやすさ」が、日常的な治療の継続を支える条件となります。また、医療従事者が初めて使用する患者さんのために操作方法の教育を行うため、「教えやすさ」も重要です。一連の操作を簡便にするため、シンプルに操作ができる充填器や、穿刺しやすい留置セット、アニメーションガイドのあるリモコンGUIなど、構成品ひとつひとつの設計に「ユーザビリティの観点」が生かされています。

パッチポンプ操作イメージ

「自分らしい」ライフスタイルをサポート患者さんの生活に寄り添う技術で一人ひとりの「自分らしさ」を

こうして日本初パッチ式インスリンポンプ メディセーフウィズが誕生しました。

近年、患者さんの生活を出来る限り制限しないよう糖尿病の治療法が進化しています。テルモは、これまで培ってきた多様な技術に、患者さんと医師、両方の目線から生まれる新たな発想を組み合わせて、患者さんの治療に伴う身体的・心理的な負担の軽減と、「自分らしい」ライフスタイルのサポートに取り組んでいきます。

メディセーフウィズ製品写真

テルモの糖尿病治療への想い

糖尿病治療に対するテルモの想いを紹介いたします。

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