医療関係の皆様向け情報

製品特徴

ケモセーフロックの製品特徴をご紹介いたします。

安全・確実・簡単のために ケモセーフロック™システムは、調製から投与まで	、抗がん薬などの薬剤を安全に取り扱うためのシステムです。

製品紹介動画(クリックすると動画が流れます)

CSTD

Closed-System Drug Transfer Device(CSTD)

ケモセーフロックは、「閉鎖式薬剤移注システム」として薬事承認(クラスII)を取得した製品です

ケモセーフロックは、抗がん薬等を容器から他の薬液容器に移す際に、容器に接続して環境中への薬剤の飛散・漏出を防止するために用いる閉鎖式の薬物移送システム(CSTD: Closed-System Drug Transfer Device)であり、容器内外の差圧を調製する機構を有します。外部の微生物等の本システムへの混入を防止すると同時に、液状又は気化・エアロゾル化した薬剤の本システムからの飛散・漏出することを防止します。

ケモセーフロックの構造

接面に薬液が触れにくい構造

接続時、接面どうしは密着した状態で押し込まれ、薬液は内部にある流路側面の孔を通じて薬液が流れます。

構造説明(クリックすると動画が流れます)

音で接続を確認

コネクターを接続すると「カチッ」と音がする構造で、音で接続を確認できます。

調製時のイメージと投与時のイメージ

調製器具の特徴

シンプルな差圧調製

バルーン式:差圧調製を行うためのバルーンに加え一方弁を有する構造により、液体製剤でも凍結乾燥製剤でも直感的に薬液採取が可能です。
フィルター式:差圧調製を行うためのフィルターを有し、液体製剤でも凍結乾燥製剤でも直感的に薬液採取が可能です。

一度接続したら外れないスピニング機構

廃棄まで接続外れや緩みによる飛散や漏出を防ぐために、一度接続すると空回りし外れない機構を採用

金属針を使用しないニードルレス構造

フィルター式とバルーン式の薬液採取のイメージ図

投与器具の特徴

シンプルな操作で、閉鎖的なバッグ交換が可能

輸液剤容器に装着されたバッグスパイクと、ケモセーフロック輸液セットを「カチッ」と接続。ケモセーフロックの流路構造により、輸液バッグの交換を閉鎖的に行うことができます。

自然落下、ポンプともに使用できるセット

  • 薬剤の影響を受けにくいポリプロピレン、PVCフリーチューブ。
  • シングルラインタイプ、Y型ラインタイプを品揃え
  • アンチフリーフロー機能付きポンプにも対応

混注部はシュアプラグAD

薬液の滞留をなくすための構造。エア抜き不要で、より簡単なプライミングが行えます。

使用方法

調製

バッグスパイク、バイアルアダプター、コネクター(オス)を、それぞれ輸液剤容器、薬剤バイアル、シリンジに装着する。

バッグスパイクとシリンジを接続し、必要量の輸液を採液する。

溶解液を薬剤バイアルに混注する。薬剤バイアルを振とうする。

薬剤バイアルからシリンジに薬液を採液する。

輸液剤容器に、薬剤入りシリンジを接続し、混注する。

投与

ケモセーフロック輸液セットのコネクターと輸液剤容器のバッグスパイクを接続する。

輸液セットをプライミングし、前投薬を投与する。

コネクターのロック解除部を押して接続をはずす。

次に投与する輸液剤容器のバッグスパイクを接続する。

(投与の例)

操作手順書

ケモセーフロックを用いた調製手順

  • バイアルアダプター(バルーン式)を用いる場合
  • バイアルアダプター(フィルター式)を用いる場合

ケモセーフロック調製時の操作手順書(調製編)(3.0MB)

ケモセーフロック輸液セットを用いた投与手順

  • シングルラインを用いる場合
  • Y型ラインを用いる場合

ケモセーフロック輸液セット操作手順書(投与編)(884KB)

動画

お知らせ

ケモセーフロック試験データやレジメン別の投与ライン図などは、お役立ち情報【会員専用】をご参照ください。

Q&A

よくあるお問い合わせ

全般的な内容

CSTDとは何ですか

薬剤を調製・投与する際に、外部の汚染物質がシステム内に侵入することを防ぐと同時に、液状あるいは気化/エアロゾル化したHD(Hazardous Drug)が外に漏れ出すことを防ぐ構造を有する器具です。

引用:がん薬物療法における職業性曝露対策ガイドライン 2019年版日本がん看護学会 / 日本臨床腫瘍学会 / 日本臨床腫瘍薬学会 2019 ; P4 金原出版

ケモセーフロックはCSTDですか

ケモセーフロックはCSTD(Closed-System Drug Transfer Device)です。
ケモセーフロックの使用目的は以下のとおりです。
抗がん剤等を容器から他の薬液容器に移す際に、容器に接続して環境中への薬剤の飛散・漏出を防止するために用いる閉鎖型の薬物移送システム(CSTD:Closed System Drug Transfer Device)であり、容器内外の差圧を調製する機構を有する。外部の微生物等の本システムへの混入を防止すると同時に、液状又は気化・エアロゾル化した薬剤の本システムからの飛散・漏出を防止する。
引用:ケモセーフロック電子添文【使用目的】

ケモセーフロックは閉鎖式薬液移注システムとして承認された製品ですか

ケモセーフロックは、「閉鎖式薬剤移注システム」として薬事承認(クラスII)を取得した製品です。

一般的名称:閉鎖式薬剤移注システム
販売名:ケモセーフロック
医療機器承認番号:23000BZX00292000

ケモセーフロックは保険請求できますか

ケモセーフロックに関連した診療報酬は以下の通りです。

G020 無菌製剤処理料

  • 1無菌製剤処理料1(悪性腫瘍に対して用いる薬剤が注射される一部の患者)
    • 閉鎖式接続器具を使用した場合 180点/日

引用:診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)令和2年厚生労働省告示第57号

調製時、ケモセーフロックバイアルアダプターを使用された場合、G020 無菌製剤処理料が算定できます。
ただし、算定に当たっては施設基準を満たし、届出を行う必要があります。

ケモセーフロックで環境汚染を防ぐことはできますか/薬液飛散に関するデータはありますか

ケモセーフロックを使用してシクロホスファミドの調製作業を行い、環境等への薬液飛散の有無を確認した試験データがあります。調製作業後のふき取り試験において、手袋、作業台左側、作業台右側、グリル、エアフォイルのいずれの箇所からも薬剤の成分は検出限界以下でした。

試験内容、結果の詳細はお役立ち情報【会員専用】のStudy summary 「薬液飛散試験」をご参照ください。

ケモセーフロックは抗がん薬の局所注入時にどのように使用すればよいですか

肝動注化学塞栓術(TACE)や膀胱注入などの局所注入時の閉鎖的な調製・投与に使用いただけます。

具体的な方法はレポ―ト【会員専用】に掲載しておりますTerumo Chemo Solutions vol.3 「HD局所注入時の職業性曝露対策」をご参照ください。

接面に薬液が触れにくい構造とはどのようなものですか

コネクターの接続部天面同士は密着した状態で押し込まれ、内部にある流路側面の穴を通じて薬液が流れます。このように、天面には薬液が触れずに流れる構造になっています。

コネクター接続時断面図 赤色の線が薬液流路 黄色は接続部天面

詳細は製品特長をご参照ください。

調製に関わるご質問

ケモセーフロック各品種の原材料を教えてください

ケモセーフロック各品種の血液・体液に接触する部分の原材料は以下の通りです。
電子添文の【形状・構造及び原理等】に各部位の名称、及び血液・体液に接触する部分の原材料を記載していますので、ご参照ください。

ケモセーフロックコネクター

部品名 原材料
コネクター(オス) ポリカーボネート、シリコンゴム、ステンレス鋼
コネクター(メス) ポリカーボネート、シリコンゴム
潤滑剤 フルオロシリコーン

ケモセーフロックバイアルアダプター

部品名 原材料
コネクター(メス) ポリカーボネート、シリコンゴム
ハウジング・針部 ポリカーボネート、コポリエステル
潤滑剤 フルオロシリコーン

ケモセーフロックバッグスパイク

部品名 原材料
コネクター(メス) ポリカーボネート、シリコンゴム
びん針 アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体
潤滑剤 フルオロシリコーン

ケモセーフロック輸液セット

部品名 原材料
ケモセーフロックコネクター(オス) ポリカーボネート(PC)、ステンレス鋼、シリコーンゴム、フルオロシリコーン
点滴筒 ポリプロピレン(PP)、ステンレス鋼※1、エラストマー※1、コポリエステル※1
チューブ ポリブタジエン
混注用コネクター(Tタイプ) PP、シリコーンゴム、フルオロシリコーン、ポリエチレンテレフタレート(PET)※1
フィルター(孔径0.2)µm PC、ポリスルホン※2、多孔質ポリテトラフルオロエチレン
ロックコネクター PC※1、PP※1、PET※1
マニフォールド PP、シリコーンゴム、フルオロシリコーン
開放型三方活栓 PC※1、PP※1、ポリエチレン※1
混注部埋め込み型三方活栓 PP、PC、シリコーンゴム、フルオロシリコーン、PET※1
メスコネクター PP
潤滑剤 シリコーン油
  • ※1品種によって原材料が異なる。
  • ※2フィルターを構成する膜の原材料である。
バイアルアダプター(バルーン式)のバルーン容量を教えてください

100mLです。

ケモセーフロックを調製に使用した際の細菌混入に関するデータはありますか

ケモセーフロックの複数回使用により、細菌が医薬品に混入しないことを検証するために、細菌混入性試験を行っています。
ケモセーフロックを用いて、黄色ブドウ球菌および緑膿菌についての細菌混入性試験を0日目、1日目、4日目、7日目に繰り返し行い、通過液について生菌数試験で細菌の混入を確認した結果、すべての検体で細菌が混入することはありませんでした。

試験内容、結果の詳細はお役立ち情報【会員専用】のStudy summary「細菌混入性試験」をご参照ください。

専用の溶解液がある場合の調製はどのようにすればよいですか

以下の方法にて調製いただくことが可能です。

  • 製剤容量にあわせて適切な規格の針・シリンジを準備し、溶解液をシリンジに採取します。
  • 針刺しに十分注意し、当該シリンジから針を外します。
  • 当該シリンジに、ケモセーフロックコネクター(オス)を回転させて確実に接続します。
  • 薬剤バイアルにケモセーフロックバイアルアダプターを接続し、シリンジと接続されたコネクター(オス)をバイアルアダプターの混注口にカチッと音が鳴るまで確実に接続し、シリンジ内の溶解液を薬剤バイアル内に注入します。
インフューザーポンプへの薬液充填に使用できますか

ケモセーフロックはISOルアーに適合した形状のインフューザーポンプに接続可能です

【ご使用方法】

  • 各社のインフューザーポンプの充填ポート(薬剤混注口)に、ケモセーフロックコネクター(メス)を接続します。
  • ケモセーフロックにて調製した薬剤をバイアルからケモセーフロックコネクター(オス)付きのシリンジに必要量を採取します。
  • シリンジと接続されたコネクター(オス)を充填ポートに接続されたコネクター(メス)にまっすぐ押しこみ、カチッと音が鳴るまで確実に接続し、薬剤の入ったシリンジからインフューザーポンプに薬剤を混注します。
バイアル内の残液はどれくらいありますか/採取容量に関するデータはありますか

ケモセーフロックを用いた採取容量試験データがあります。第十七改正日本薬局方の試験方法に準じて薬液採取容量試験を行った結果、容量の異なる3つの試験薬剤(オキサリプラチン点滴静注液「ケミファ」においていずれも判定基準を満たし適合でした。
なお、その際の採取残量は以下のとおりです。

仕様 薬剤 採取残量(mL)
フィルター式 オキサリプラチン点滴静注液50mg/10mL「ケミファ」 0.03
オキサリプラチン点滴静注液100mg/20mL「ケミファ」 0.22
オキサリプラチン点滴静注液200mg/40mL「ケミファ」 0.17
バルーン式 オキサリプラチン点滴静注液50mg/10mL「ケミファ」 0.04
オキサリプラチン点滴静注液100mg/20mL「ケミファ」 0.03
オキサリプラチン点滴静注液200mg/40mL「ケミファ」 0.44

試験内容、結果の詳細は弊社担当、コールセンターへお問い合わせください。

ケモセーフロックを使用すると調製時間が長くなりませんか

ケモセーフロックを使用して抗がん薬調製にかかる時間を検討したデータがあります。
熟練者、非熟練者でケモセーフロックと針・シリンジ法での調製時間を比較した結果、
非熟練者では、液剤・粉剤ともにケモセーフロックを使用しても調製時間の延長はみられず、粉剤では有意に調製時間が短縮しました。また、熟練者では、液剤の場合には針・シリンジでの調製の方が調製時間は短時間でしたが、粉剤ではケモセーフロックの使用により有意差はなかったものの、調製時間が短縮する傾向がみられました。

試験内容、結果の詳細はお役立ち情報【会員専用】のStudy summary「調製時間の検討と汚染の確認」をご参照ください。

フィルター式のバイアルアダプターでも環境汚染を防ぐことはできますか/環境汚染低減に関するデータはありますか

フィルター式バイアルアダプターを用いた環境等への薬液飛散の有無を確認したデータがあります。

  • ケモセーフロックを使用してシクロホスファミドの調製作業を行い、調製作業後のふき取り試験において、手袋、作業台左側、作業台右側、グリル、エアフォイルのいずれの箇所からも薬剤の成分は検出されませんでした。(薬剤飛散試験)
  • NIOSH のCSTD 性能試験プロトコールに準じて、ケモセーフロックを使用して調製作業を行い、試験装置内への気化またはエアロゾル化した薬剤の漏出の有無を確認した結果、いずれの試験においても薬剤は検出されませんでした。(薬剤漏出試験)

試験内容、結果の詳細はお役立ち情報【会員専用】のStudy summary「薬液飛散試験」及び「薬剤漏出試験」をご参照ください。

投与に関わるご質問

ケモセーフロック輸液セットは輸液ポンプにも使用できますか

ケモセーフロック輸液セットは自然落下式・ポンプ接続兼用輸液セットです。
なお、輸液ポンプを使用する場合は、輸液ポンプのメーカーに適用の可否をご確認ください。また、アンチフリーフロー(以下、AFF)機構を使用する場合は、AFF機構を有する本品専用のテルフュージョン輸液ポンプをご使用ください。

ケモセーフロック輸液セットのシングルライン/Y型ラインの違いは?

シングルラインは主管のみで構成され、前投薬、抗がん薬、生理食塩液等のフラッシュ用薬剤すべてを専用システムへ接続することで閉鎖的に投与します。
Y型ラインは前投薬や生理食塩液等のフラッシュ用薬剤などの非抗がん薬は瓶針側から投与し、抗がん薬のみを専用のシステムに接続することで閉鎖的に投与します。

【投与イメージ】
制吐剤→抗がん薬→抗がん薬→生食の場合

シングルライン

Y型ライン

具体的な投与手順例はお役立ち情報【会員専用】をご参照ください。

ケモセーフロック輸液セットの材質を教えてください

ポリブタジエンです。薬剤の影響を受けにくいPVCフリーのチューブです。

ケモセーフロック輸液セットのプライミングボリュームを教えてください

代表的な品種のプライミングボリュームは以下の通りです。
他の品種に関しては弊社担当、コールセンターへお問い合わせください。

シングルライン

フィルターなし、混注口 KL-PT3R00N
KL-PT3R00Y
16mL
フィルターなし、混注口 KL-PT3H01N
KL-PT3H01Y
15.6mL
フィルターあり、混注口 KL-PF3R00N
KL-PF3R00Y
16mL
フィルターあり、混注口 KL-PF3H01N
KL-PF3H01Y
15mL

Y型ライン

    メインルート側 ケモルート側
フィルターなし、混注口 KL-PT30L1AN
KL-PT30L1AY
17.1mL 17.9mL
フィルターあり、混注口 KL-PF30L1AN
KL-PF30L1AY
15.9mL 16.9mL
フィルターあり、混注口 KL-PF30L2ANA
KL-PF30L2AYA
14.3mL 15.2mL
  • プライミングボリュームは、点滴筒に約1/2まで液を入れた際の実測値です。
アンチフリーフロー機能とは何ですか? 

クレンメの閉じ忘れによるフリーフローを防止するための機能です。ポンプのドアを開けると指定の輸液セット等に付属のAFFクリップを自動的に閉じます。また、ポンプ本体から輸液セット等を取り外してもAFFクリップによりチューブの圧閉は保持されます。

前投薬がない場合、シングルラインのプライミングはどのようにすればよいですか

別途生理食塩液等、投与する抗がん薬の特性を考慮した薬剤でプライミングを行い、ご使用いただくことを推奨します。

ケモセーフロック輸液セットの交換の目安はありますか

ケモセーフロック特有の交換の目安はありません。一般の輸液セットと同様に取り扱いいただけます。

具体的な投与手順を教えてください

投与手順例をお役立ち情報【会員専用】に掲載しています。
また、貴施設での投与方法に合わせた投与例もご提案しますので、弊社担当までご相談ください。

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