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健康ガイド

高血圧症に糖尿病が加わると脳血管障害などに

高血圧症に糖尿病が加わると脳血管障害などのリスクが増大。家庭での血圧測定で“素顔の血 圧”を知ることが大切です。

shimada

監修:
島田 和幸先生
自治医科大学附属病院病院長(専門/循環器内科学、高血圧、血栓、動脈硬化、老年病学)

しまだ・かずゆき/1973年東京大学医学部卒業。75年に東大第三内科入局、78年に米国タフツ大学、NewEnglandMedical Center(ボストン)のリサーチフェロー、81年に高知医科大学老年病科講師、91年に自治医科大学循環器内科教授、97年に自治医科大学附属病院副病院長、2001年に自治医科大学内科学講座主任教授、現在に至る。

高血圧症は脳卒中や心疾患の引き金となる恐い生活習慣病

図1:日本高血圧学会ガイドライン(2009年)

高血圧や高脂血症、糖尿病、肥満などの生活習慣病が、近年、日本人に非常に増えてきています。その原因は食生活の欧米化による動物性脂肪の摂りすぎや、運動不足、肥満、喫煙、飲酒、ストレスなどです。高血圧もそんな生活習慣病の一つです。高血圧症は特に肥満、塩分過多、運動不足の三つが要因とされています。

血圧とは血液が全身を流れる際、血管にかかる圧力のことです。それが高くなりすぎるのを高血圧といい、知らず知らずのうちに血管を痛め、動脈硬化が進行します。放置しておけば、脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害や、狭心症、心筋梗塞などの心臓疾患、腎不全などさまざまな病気を引き起こす危険が高まります。

高血圧から引き起こされるこれらの病気は体に非常に大きなダメージを与えます。特に、ある日突然襲ってくる脳血管障害や心筋梗塞は、寝たきりや痴呆など重大な結果を引き起こし、健やかな老後まで奪ってしまうことになるのです。

実際に日本人の65歳以上の寝たきりの方の40%は脳卒中が原因といわれ、血圧が5mmHg下がれば、脳卒中による死亡は16%低下するという予測データもあります。高血圧症は痛みなどの自覚症状がないため、放置されやすいのですが、脳血管障害や心疾患などの恐ろしい結果に直結することから「サイレントキラー」(沈黙の殺し屋)といわれています。

「血管の老化」に注意 糖尿病・高脂血症などとの合併で危険度増大

血圧は年齢とともに誰もが上がっていく傾向があります。55歳で正常な血圧であっても、その9割は80歳で高血圧になるという統計からもそれがわかります。

図2 危険因子の保有数と虚血性心疾患発症オッズ比(多変量オッズ比率)

ただ、実際の年齢が若いからと言って油断は禁物です。年齢は若くても高血圧の方の血管は、血圧の負荷でいつの間にか蝕まれて、想像以上に老化しているのです。たとえば50歳の方でも、最高血圧が190mmHgもある場合は、統計上、70歳の血管と同じくらい傷んでいるということがいえます。このように「血管年齢」が高まり、老化していると、ある日突然脳梗塞で倒れてしまうという危険も比例して高まっているのです。また、血圧自体が極端に高くなくても、糖尿病や高脂血症など、ほかの生活習慣病を抱えている方は血管年齢が高まっている可能性があり、注意が必要です。なぜなら、これらの生活習慣病や喫煙などの危険因子が高血圧に加わるほど、その相乗効果で脳血管障害や心疾患のリスクが2倍・4倍といったように指数関数的に増えていくからです。実際に肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症の4つの要素が重なると心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患発症の危険は31.3倍にまで一気にふくれあがるとするデータがあります。

複数の生活習慣病を抱えている方は、より厳密な血圧管理が必要です(図2 )。

仮面高血圧などの可能性もあるので家庭での測定で正しい数値を知る

ところで、血圧は病院で測るものと思っている人も多いでしょう。しかし、医師の前で測る血圧は、必ずしも正しくないことが最近わかってきました。降圧剤を服用されている方の場合でも、薬の効果が持続している間にたまたま病院で測定した際に血圧が正常であっても、薬の効果がきれて翌朝には上がってくる「仮面高血圧」の可能性もあります。ですから、より正確な血圧を測るなら家庭でのコンスタントな血圧測定が必要です。

具体的には平常時の血圧に加え、起床後1時間以内、降圧剤を服用されている方は、服用前の朝の血圧を測ることが必要です。

図3 血圧の測り方

図3にあるような正しい測定方法で家庭血圧を測定し、最高血圧が135mmHgを超えるようなら、病院で医師の診断を受けましょう。また、そこまで高くなくても、最高血圧が恒常的に120mmHgを超えるようなら要注意です。高血圧の原因を解消するために、ウォーキングなど軽い運動をしたり、塩分の少ない食生活(一日6g以下が目安)を心掛ける努力が必要になります。また、たばこは血管を収縮させたり、動脈硬化を促進する成分が含まれているので、禁煙を心掛けるようにしてください。

血圧で将来の自分の健康状態を予想“素顔の血圧”を知るために一家に1台

血圧の測定は血液検査などに比べて簡単ですが、自分の「将来の健康」をも予測できるわかりやすいバロメーターです。まずは一家に1台血圧計を置くことをおすすめします。家庭でリラックスした状態で正しく測ることで、自分の“素顔の血圧”を知り、日々の健康管理に活かすことができるからです。家庭用の血圧計も最近はさまざまなタイプのものが市販されています。そのなかでも私が強くおすすめしているのが、上腕部で測るスタンダードなタイプの血圧計です。指や手首で測るものも出回っていますが、こういったものは手軽である一方、精度が高いとはいえません。きちんと測定したいなら、やはり上腕で測るものを使うべきです。高齢になっても健康的で楽しい生活を送るためにも、ぜひ家庭での血圧チェックを実践していただきたいですね。



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