COPD(慢性閉塞性肺疾患)の方向け栄養情報
監修:木村謙太郎先生
元国立療養所近畿中央病院 臨床研究センター長
監修:前倉亮治先生
国立療養所刀根山病院 診療部長
1.はじめに
なぜCOPD患者さまに栄養が大切なのか?
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、気道や肺の細胞などが壊れることによって肺の機能が悪くなり、スムーズに呼吸ができなくなる病気です。
呼吸は呼吸筋を動かして行いますが、COPD患者さんは悪くなってしまった肺をカバーするために呼吸筋を一生懸命動かそうとするので、健康な人より呼吸にたくさんのエネルギーが必要となります。
ところが、多くの患者さまは息切れによって食欲が落ちてしまうため必要なエネルギーを摂りにくくなり、その結果ますます体力や
筋力が落ちて、息切れが強くなるという悪循環に陥りやすいのです。
COPD患者さまにやせ型の人が多いのは、このように十分な栄養およびエネルギーが必要なのに不足してしまう状態にあるからです。
リハビリで息苦しさを軽く
こうした患者さまには「包括的呼吸リハビリテーション」を行います。「包括的呼吸リハビリテーション」は、禁煙、薬の服薬、効果的な呼吸、呼吸する筋肉をつける訓練、栄養改善、排たん管理などさまざまな角度から改善を行い、「息苦しさの悪循環」を快適に生活できるサイクルに変えるのが目的です。
その中で大切なキーになるのが「十分な栄養」です。十分な栄養を摂ることは、呼吸に使う筋力や病気に対する抵抗力を高め、ひいては息苦しさを改善させるとても大切なポイントとなるからです。
あなたの体型は?
あなたの体型を身長と体重からみてみましょう。やせぎみですか?肥満ぎみですか?やせぎみなら、自分に適した体重を把握して、標準体重に近づけるようにしましょう。定期的に体重計にのるようにしましょう。
BMI:Body Mass Index
身長と体重の関係をみる尺度となる計算式
(日本肥満学会による肥満の判定基準)