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医療の新たな可能性への挑戦
患者さん自身の細胞を使って、治療を行う。
いま、医療の新しい扉が開こうとしています。細胞シートはそうした新しい治療法の一つ。
患者さんから筋肉組織を採取、組織内に含まれる細胞を培養してシート状にし、患者さんに移植して使用します。薬物や外科手術による回復が難しい症例への新たな治療の選択肢として期待されている再生医療。そのさらなる発展のため、テルモは今後も研究開発を進めていきます。
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患者さんの筋肉組織から調製された細胞シート
また、鎌状赤血球症をはじめとするさまざまな疾患の治療、管理には「遠心型血液成分分離装置」が活躍しています。これは、血漿交換などの新しい治療法を提供し、患者さんに貢献していくための製品です。加えて、治療、研究などのために必要な血液や細胞を効率的に収集、処理する製品も提供しており、難病の治療に役立てられています。
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    テルモは、血液と細胞治療の可能性を追求しています。

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    遠心型血液成分分離装置

世界中の製薬会社によって、画期的な医薬品も生み出されています。たとえば、バイオ医薬品。タンパク質を有効成分とするバイオ医薬品は、以前は治療できなかった病気にも効果が見込める一方で、有効成分が凝集・酸化しやすく熱にも弱いなど、取り扱いが容易ではありません。
そこでテルモは、医薬品と医療機器を融合させ、新たな価値を生み出す薬剤充填用注射器を製薬会社に提供。シリコーンオイルを使用しない独自のコーティング技術で凝集を防ぐとともに、酸化の要因とされるラジカルを発生させないオートクレーブ(高圧蒸気)滅菌を採用することで、バイオ医薬品に最適な容器を目指しました。熱に弱いバイオ医薬品は、特殊なフィルターでろ過・滅菌後、無菌エリア内で充填と密封を実施。医薬品ごとに異なる粘り気や泡立ちやすさに応じ、最適な充填条件を設定するなど、これまでに培った高度な無菌充填技術を活かして、製造を行っています。医薬品の進化による新たなニーズに応え、患者さんにとって必要な薬剤を安全かつ確実に届けるために、テルモはこれからも技術と品質を高め続けます。
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    薬剤充填用注射器

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    バイオ医薬品に求められる高い基準を満たした、
    薬剤充填用注射器の製造ライン。

高齢化社会が直面する病気に挑む
近年、医療の進化により世界的に寿命が延びています。
こうした中で重要になるのが、加齢に伴ってかかりやすくなる病気を効果的に治療していくことです。
たとえば、多くの国で死因の上位に位置しているがん。
テルモは肝がんに対して、血管内から病変部に到達できるカテーテルの特性を活かした製品を展開。抗がん剤や塞栓物質を肝がんの近くに運んだり、放射線を放出してがん細胞を攻撃する物質を注入したりといった、がん治療の新しい選択肢を提供。今後は他の臓器のがん治療にも応用するため、検証を進めています。
カテーテル技術は、脳卒中の原因となる病気の治療でも効果を発揮しています。脳の血管内の血栓を吸引して取り除く、出血の原因となる「こぶ」に詰め物をするといった治療を可能とし、深刻な事態になりやすい脳血管系の病気で、大きな成果を上げています。
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腹部血管用マイクロカテーテル
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    袋状脳動脈瘤塞栓デバイス。
    柔らかい金属でできています。

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    カテーテルによる治療の可能性は大きく広がり、脳動脈瘤、
    脳梗塞、脳動静脈奇形などの病気にも用いられます。

また、心臓病に対する新たな取り組みとして心臓の状態をモニタリングすることで心不全の悪化防止に寄与する製品の開発も進めています。
他に、加齢とともに起こりやすくなる病気として、大動脈瘤が挙げられます。この病気でダメージを受けた血管を置き換えるのに用いられるのが「人工血管」です。人工血管には長期にわたって安定した状態を保つ生体適合性が求められます。
テルモは、胸部・腹部の大動脈疾患治療に用いられる人工血管とステントグラフトを中心に、手技に合わせた多様なラインアップを提供。
予防から治療まで持てる技術を結集し、テルモは患者さんと高齢化社会を支えていきます。
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    腹部用人工血管

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    胸部用ステントグラフト

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    人工血管の縫製は、熟練した作業者によって
    クリーンルームで行われます。

新しいテクノロジーを、医療の力に

医療の発展のため、さまざまな分野の技術を取り入れるテルモの挑戦が始まっています。
院内IT と連携可能な輸液投与システムは、そのひとつです。
患者さんに薬剤や栄養などを投与するための輸液ポンプ、シリンジポンプに、院内IT システムとの連携機能を搭載。正しい薬剤投与をサポートし、治療の効率と安全性の向上に大きな役割を果たしています。
「個別化医療」への取り組みも行っています。大動脈を治療するステントグラフトでは、標準品のみならず、患者さんの血管形状に合わせたカスタム品を提供。
これにより、従来は対応が難しかった患者さんの治療も可能にすることを目指しています。
人工知能(AI)の活用では、カテーテル治療を実施する際の血管の太さやプラーク断面積の計測、患部に最適な治療機器の選択といった、従来は医師が行ってきたことをAIが支援。治療を迅速に、正確に行うことを目的とし、テルモは医療機関と共に研究を進めています。
より良い医療を実現するため、テルモは新たなテクノロジーを取り入れることで、さらに進化を加速させています。

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    院内ITと連携可能な
    輸液投与システム

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    一人ひとりに合わせた最適な
    ステントグラフト設計のイメージ。

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    テルモの超音波画像診断装置で血管内を観察した画像。
    現在は、こうした画像などから、使用する医療機器の
    サイズや場所を医師が選択しています。