文字サイズ

プレスリリース 2012

2012年03月19日

テルモ、中国 威高(ウェイガオ)社と腹膜透析事業の合弁会社を設立

テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長 新宅 祐太郎)は、中国の最大手医療機器メーカーである威高集団有限公司(中国山東省、代表者 陳学利)の中核事業会社である山東威高集団医用高分子製品股分有限公司(中国山東省、代表者 陳学利、以下「ウェイガオ社」)と腹膜透析事業における戦略的提携に関する基本契約を3月18日に締結いたしました。

今回の戦略的提携において、当社はウェイガオ社のグループ会社である威海威高(ウェイハイ ウェイガオ)血液浄化製品有限公司(中国山東省、代表者 夏列波)と、中国において腹膜透析関連製品の製造を行なう合弁会社「威高泰尓茂(威海)医療製品有限公司」を設立する予定です。

 

中国の透析市場

中国では現在、透析療法を必要とする末期腎不全患者が150万人いると言われており、10年以内にその数は300万人程度※1まで拡大すると予測されています。そのうち腹膜透析患者数は現在、約32,000人と既に世界最大規模であるとともに、その患者数は10年以内に30万人程度※1まで拡大すると見込まれています。また近年、糖尿病性腎症から慢性腎不全に移行し、透析を導入する患者が急増していますが、中国における糖尿病患者は、既に9,000万人を超えており、今後も拡大が予測されています。先に開催された第11期全国人民代表大会(全人代)第5回会議においても、温家宝首相が政府工作報告書で「(末期腎不全の状態である)尿毒症など8種類の大病への保障を全面的に推進する」ことを主要任務の一つに設定しています。

※1:ウェイガオ社推計

 

提携の目的

テルモは、1980年に腹膜透析システムの開発に着手して以来、日本における腹膜透析療法の普及と発展に取り組んできました。当社は、日本で初めて従来pHが酸性であった透析液をより体液に近い中性化へと改良した透析液を開発するなど、この分野で技術的なイノベーションを主導するとともに、腹膜透析療法の普及にも積極的に取り組んできました。

今回の戦略的提携の目的は、今後急速な拡大が予測される中国の透析市場において、当社が長年培ってきた腹膜透析の技術力と療法普及のノウハウを威高集団が有する中国全土に広がる販売網および強力な顧客ネットワーク力と組み合わせることにより、腹膜透析事業の一層の拡大を目指すことにあります。当社は、合弁会社への技術・商標ライセンスの供与を行うとともに、販売・アフターサービスを実施する威海威高血液浄化製品有限公司の100%子会社である威高透析用品有限公司に営業ノウハウの提供等、販売支援を実施する予定です。腹膜透析関連商品の販売開始は2014年を見込んでおり、2021年までに市場シェア25%、売上ベースで約400億円の獲得を目指します。

テルモの腹膜透析事業責任者である副社長 松村啓史のコメント:
「同事業は、患者さんのQOLの向上及び中国の医療への貢献を通して成長する中国戦略の一つのモデルになると期待している。」

 

1. 合弁会社の概要

(1)商号 威高泰尓茂(威海)医療製品有限公司
(ただし、中国当局の認可取得を前提とする)
(2)所在地 中国山東省威海市初村鎮興山路20号(予定)
(3)代表者 合弁相手先から就任予定
(4)事業内容 腹膜透析用の透析液等の製造事業
(5)資本金 約2,000 百万円(1.6億人民元)
(6)設立時期 2012 年秋頃予定(ただし、中国当局の認可取得を前提とする)
(7)出資者および
    出資比率
泰尓茂(中国)投資有限公司    50%
威海威高血液浄化製品有限公司    50%

 

2. 主要な業務提携相手先の概要

(1) 商号 山東威高集団医用高分子製品股分有限公司
(2) 所在地 中国山東省威海市世昌大道312 号
(3) 代表者 陳学利
(4) 事業内容 使い切り医療機器(輸液セット、輸血セット、注射器、注射針、血液バッグ及び真空採血管などを含む)、整形外科製品及び血液浄化装置の研究開発及び製造・販売
(5) 資本金 約5,819百万円(448 百万人民元)
(6) 設 立 2000年12 月28 日(登記日)
(7) 従業員数 7,875名
(8) 売上高 約41,885百万円(約3,180百万人民元)

※ (5)(7)(8) 2011年12月31日現在

 

<参考> 腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysis)とは

透析療法には、腹膜透析(PD)と血液透析(HD)があります。

腹膜透析(PD)とは、内臓を覆う腹膜に囲まれた腹腔内に透析液を注入・貯留し、腹膜を介して血中の不要な老廃物や水分を除去する療法で、透析液を出し入れするためのカテーテルを腹部に埋め込む手術を必要とします。通常、1日に4回(約5~6時間ごとに)透析液を交換し、24時間連続して透析を行います。感染による腹膜炎や長期継続による腹膜硬化症等のデメリットも伝えられていますが、腹膜にやさしい中性化透析液によって問題も緩和されつつあります。

一方、血液透析(HD:Hemo Dialysis)は、血液を体外に引き出し、透析器(ダイアライザー)に誘導して老廃物を取り除き、浄化した後に再び身体に戻す操作を連続して行うものです。十分な血液量を送り込むため、片腕の動脈と静脈を縫合する簡単な手術を行います(シャント作製)。週に2~3回、透析施設に通院が必要で、1回の透析に4~5時間を要します。

日本では血液透析が主流ですが、腹膜透析の方が簡便で安価であるとの理由で、世界各国で腹膜透析が採用されています。メキシコでは90%、英国では50%、カナダでは40%、欧州と米国では10%から20%が腹膜透析を行っています※2

※2:Toure, F. et al.: Kidney International, 65, 654 2004.

  項目 腹膜透析(PD) 血液透析(HD)
治療方法 透析する場所 自宅・会社など 医療施設
透析に必要な時間 連続に24時間 4~5時間/回
透析による拘束時間 交換時
(約30分/回、4~5回/日)
4~5時間+通院時間/回
透析を操作する人 患者さん本人・ご家族 医療スタッフ
通院回数 1~2回/月 2~3回/週
手術 カテーテルを植え込む シャントを造る
抗凝固剤 必要なし 必要あり
日常生活 社会復帰 可能 可能
透析中の活動 活動できる 拘束される
合併症感染に対する注意 特に必要 必要
スポーツ できる
(水泳、腹圧のかかる
運動は避ける)
できる
旅行 透析液、器材の手配が必要
バックアップ施設が必要
長期の場合は
透析施設の予約が必要
食事制限 塩分・水分制限
タンパク制限
タンパク・カリウム制限
塩分・水分制限
       
 
腹膜透析 血液透析

(出典)慢性腎臓病(CKD)のはなし:監修 昭和大学医学部内科学講座 腎臓内科学部門 教授 秋澤忠男

テルモの開示資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。様々な要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。


Copyright (C) TERUMO CORPORATION, All Rights Reserved.