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プレスリリース 2006年

2006.10.25
薬剤溶出冠動脈ステント臨床試験“NOBORI 1”の成績について
 

現在、米国ワシントンD.C. で開催されている世界規模のカテーテル関連の学会TCT (Transcatheter Cardiovascular Therapeutics 10月22日~27日)において、テルモが開発中のバイオリムスA9を塗布した薬剤溶出冠動脈ステント (DES) “Nobori”の比較臨床試験“NOBORI 1”の中間成績が現地時間24日に発表されました。



DESは、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患において、狭窄した冠動脈を拡張するために使用される埋め込み型の治療機器です。バルーンカテーテルで冠動脈を拡張した後に、薬剤を塗布したステントを血管内に留置します。留置後ステントからは薬剤が徐々に周囲の組織に放出され、周辺の血管組織の増殖を抑え、“再狭窄”の低減が期待されています。



“NOBORI 1”は欧州、アジア、豪州の29施設で実施され、その主要評価項目はステント留置後9ヶ月間におけるlate loss値(ステント内部での細胞組織の増殖による再狭窄の度合いを示す値)の解析で、今回は抗がん剤パクリタキセルを塗布したステントを対照として比較がなされています。

late loss値の結果はNobori群 0.15+/-0.27mm に対して 対照群0.32+/-0.33mmと、Nobori群の非劣性が示されました。また副次的な評価項目である体積を用いて再狭窄の度合いを計測する血管内超音波画像診断(IVUS)では、対照群の8.9% に対しNobori群が2.2%と肥厚の低減も観察されました。

Nobori群を留置した症例では、9ヶ月後のフォローアップにおいて血管の再狭窄率が0%でした。

また臨床症状を伴うカテーテル再治療が必要な症例も0%、死亡及び術後心筋梗塞も報告されておらず、Nobori群の安全性を示す結果となりました。

“NOBORI 1”の臨床試験統轄医師であるDr. Bernard Chevalier (Centre Cardiologique du Nord, St. Denis, France)は「血管造影及びIVUS(血管内超音波画像診断)結果と9ヶ月間でステント内血栓症が見られなかったことから、当DESの有望な将来性を示唆するものである」とコメントしています。



-比較臨床試験“NOBORI 1”について-
“NOBORI 1” は、患者数360におけるNobori群と対照群を比較する無作為(患者比2:1)の臨床試験で、欧州・アジア・豪州の29施設で評価が行われています。

今回発表されたのはその前半で、患者数120の成績が報告されました。

2003年10月、テルモと米国バイオセンサーズ社 は、DESの開発・マーケティングにおける技術使用ライセンス契約を締結しました。ステントにはバイオセンサーズ社が特許を保有する抗炎症性・抗増殖性の化合物バイオリムスA9が塗布されています。

またNobori群のDESには生分解性ポリマーを採用しており、バイオリムスA9による細胞増殖の抑制と、薬剤放出後に消失するポリマーの組み合わせにより、効果と安全性の向上が期待されています。

すでに後半の試験のステント留置も終了しており、留置後9ヶ月の結果が2007年夏頃に発表される予定です。

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