テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:高橋 晃)は、米国ミシガン大学附属病院※1で、左心補助人工心臓(欧州での販売名称:DuraHeart※2 )の米国における臨床試験の第1症例目となる埋め込み手術を7月30日(現地時間)に行いましたのでお知らせいたします。今回の手術は、重症心不全の患者さんに行われ、術後の経過も大変良好とのことです。
米国での臨床試験は、子会社であるテルモハート社(本社:米国ミシガン州、会長兼CEO:野尻 知里)により、140症例、最大40施設で行われます。米国では、通常、医療機器の性能や信頼性を長期的に検証する予備試験(Feasibility Study)が20症例ほど必要ですが、この左心補助人工心臓は、欧州で先行して行った臨床試験データが米国FDAに認められ、予備試験を行わずに本試験(Pivotal Study)に入ることが可能となりました。これは、米国でこれまで行われた人工心臓の臨床試験では初めてのことです。
今後、2011年度の米国での発売を目指します。
また、テルモは日本においても、左心補助人工心臓の臨床試験について、今年中に第1症例目の埋め込み手術ができるように準備を進めています。
※1 University of Michigan Cardiovascular Center(米国ミシガン州)
※2 DuraHeart®について
DuraHeartは、遠心ポンプの内部で回転して血液を押し出す羽根車を、磁気で浮かせて回す独自の「磁気浮上方式」※3を採用しています。
1995年より12年の開発期間を経て、2007年8月欧州で販売を開始しました。これにより、世界初の磁気浮上型遠心ポンプ方式を採用した左心補助人工心臓の実用化に成功しました。
心筋症や心筋梗塞などにより、心臓のポンプ機能が著しく弱くなった重症心不全の患者さんにとっては、心臓移植が有効な治療法です。現在は、心臓移植を待つ患者さんの”つなぎ”を主な目的として使われていますが、将来的には、より長期的な使用にも対応できるよう開発を継続しています。
※3 磁気浮上方式は、元京都大学工学部 赤松映明教授とNTN株式会社が共同で考案した磁気浮上型遠心ポンプの技術を導入し、共同開発しました。 |