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健康ガイド

食後高血糖と尿糖検査~糖尿病の早期発見のために~

監修:
田嶼尚子先生
元東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授

1970年東京慈恵会医科大学卒業。医学博士。76年東京慈恵会医科大学第3内科助手、83年米国ピッツバーグ大学小児科および公衆衛生大学院客員助教授、86年東京慈恵会医科大学第3内科講師、助教授を経て、99年東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授に就任。

  1. 1.食後高血糖について
  2. 2.家庭で尿糖チェックを

1.食後高血糖について

糖尿病と血糖値

以下の(1)~(3)いずれかの血糖値が確認されると、「糖尿病型」と判定されます。

  1. 1.空腹時血糖値が126mg/dL以上
  2. 2.随時血糖値が200mg/dL以上
  3. 3.経口ブドウ糖負荷試験2時間値が200mg/dL以上

経口ブドウ糖負荷試験とは、75gのブドウ糖を水に溶かして飲み、30分、1時間と時間を追って血糖値を測定する検査。糖尿病かどうかがわかる。

空腹時血糖値および経口ブドウ糖負荷試験による判定区分と基準

後日、(1)~(3)いずれかで「糖尿病型」が再確認できれば糖尿病と診断されます。

血糖値はなぜ高くなるの?

食後、体内にブドウ糖が取り込まれると血糖値は上昇しますが、速やかにインスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖は細胞内へ取り込まれるため、血糖値は下がります。糖尿病では、インスリンの分泌が遅れたり、量が不足したり、またインスリンがうまく効かないため、血糖値の上昇を抑えきれず、高血糖の状態が続くのです。

「食後高血糖」ってなに?

血糖値は、空腹時に低く、食後に高くなるのが普通です。進行した糖尿病の人では、空腹時・食後とも高い状態が続きます。最近、空腹時血糖値は正常または境界領域でも、食後の血糖値のみが糖尿病(200mg/dL以上)の人と同じくらい高くなる「食後高血糖」が注目されています。

こうした「食後高血糖」は、糖尿病の初期にみられ、この状態を放置しておくと、やがて空腹時血糖値も高くなり、重症な糖尿病へと進行してしまいます。

食後の血糖値上昇パターン

空腹時血糖値だけでは気づかない糖尿病も!!

大規模臨床試験から、空腹時血糖値だけでは糖尿病と気づかず、経口ブドウ糖負荷試験によってはじめて糖尿病と診断される人が45%もいることがわかっています。つまり、空腹時血糖値による診断だけでは、糖尿病初期の患者さんを半数近くも見逃してしまっているのです。

経口ブドウ糖負荷試験2時間値(日本糖尿病学会:科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン,2004および
DECODA Study Group:Diabetologia 2000;43:1470-1475 より作成)

食後高血糖はキケン?

たとえ空腹時血糖値が正常範囲内であっても、経口ブドウ糖負荷試験の2時間値で比べてみると、その値が200mg/dL以上の人は、正常型(140mg/dL未満)の人よりも、心筋梗塞や脳梗塞などで死亡する危険が2倍高いことがわかっています。

経口ブドウ糖負荷試験2時間値(DECODE Study Group:Lancet 1999;354:617-621 より作成)

糖尿病早期発見のために

糖尿病は自覚症状なく進行し、全身にさまざまな合併症を引き起こす恐ろしい病気です。しかし、初期の段階で気づけば、食事や運動などの生活習慣の改善だけで、進行をくい止めることもできます。

糖尿病初期の危険サインである食後高血糖を見逃さないことが、糖尿病の早期発見、早期治療のために重要といえるでしょう。

食後高血糖を知るには

糖尿病の早期発見のためにも、積極的に食後の血糖値を測りましょう。血糖自己測定器を用いれば、家庭でも手軽に食後の血糖値を知ることができます。さらに簡便な方法としては、尿糖試験紙を用いた尿糖検査があります。糖尿病の正確な診断のためには、医療機関で経口ブドウ糖負荷試験を受けることが有効です。

血糖値と尿糖の関係

糖「尿」病ともいわれるように、血糖値と尿糖値は深い関係があります。尿糖検査は、尿中に排泄される糖を測定する検査で、排尿から排尿までの間の血液の状態が反映されます。つまり、血糖値を直接測らなくても、尿糖を測ることで食後に高血糖状態があったかどうかを間接的に知ることができるのです。

尿に糖が出始めるのは、血糖値が170~180mg/dLになったときです。個人差もありますので、陽性反応が出たら、医療機関で詳しい検査を受けてください。

(根岸清彦:糖尿病マスター 2006:Vol.4 No.7;817-820より作図)

また、血糖値は正常でも、尿糖が認められる状態を腎性尿糖といいます。たとえば、妊娠中などで、腎臓の働きが悪くなることによって起こります。