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健康ガイド

更年期の体調管理は毎日の血圧測定から!

監修:
天野恵子先生
NPO性差医療情報ネットワーク理事長

1967年、東京大学医学部卒業。81年医学博士。米国(ニューヨーク)とカナダでレジデントを経験。東京大学保健センター講師を経て、94年より東京水産大学(現・東京海洋大学)保健管理センター教授・所長に就任、2002年より千葉県衛生研究所所長兼千葉県立東金病院副院長として女性専用外来の診療にあたる。2009年4月より静風荘病院特別顧問。性差医療研究・実践の第一人者で、「NPO法人性差医療情報ネットワーク」や「性差医療・医学研究会」(現・「日本性差医学・医療学会」)の創設をリード。

日々の血圧測定が大切です。

メノポを迎えた女性の体に起こるさまざまな変化。そのひとつである血圧の上昇を放置すると、将来、大きなリスクにつながる恐れがあります。女性が自らの健康を守るために、日々の血圧測定が大切です。

メノポの訪れとともに生活習慣病リスクが急増

女性の健康にとって、メノポ(更年期)が大きなターニングポイントになるというイメージは、多くの方が持っているのではないでしょうか。しかし実際に糖尿病や高血圧などの生活習慣病にかかる女性が、メノポを境に急増するという事実を認識している方は少ないかもしれません。
更年期を前にした45歳前後から、女性の体の中では女性ホルモン・エストロゲンの分泌が急激に減り、その結果としてコレステロール値や血糖値、血圧などが上がり始めます。ところが、実際にわが身にそうした症状が起こってから、「エッ、ウソッ、どうして?」と驚かれる女性が多いのです。更年期を過ぎた自分の体に何が起こるのかを、すべての女性が、もっと早い時期から認識しておくべきです。
メノポを迎えて何らかの症状が出てから、急に健康について考え始めたのでは遅すぎます。
なぜなら、女性の健康は、思春期に女性ホルモンの分泌が始まる時期から続くひとつのサイクルとして考える必要があるからです。
例えば妊娠時に高血圧を体験した方は、更年期以降、高血圧に移行する確率が数倍に高まることが分かっています。そして女性にとって高血圧症は、喫煙や糖尿病と並び、脳卒中や心筋梗塞といった動脈硬化性疾患の大きな危険因子になります。

日本高血圧学会が公開している「高血圧治療ガイドライン」では、「女性では35歳ころまでは血圧が正常あるいは低血圧とされていても、更年期を境として、血圧が急に上昇あるいは高血圧と診断されることは、けっしてまれではない」とされています。つまり、今まで自分は低血圧だと信じてきた人も、メノポ以降は、高血圧に悩まされる危険性があることを考慮しておく必要があります。

血圧変動が激しいメノポ期、日々の測定で動きを知る

メノポ前後の女性の血圧は、とても不安定。一日の中でも、起床時と就寝前、そして日中立ち働いているときなどで変動します。また冬には高くなり、夏には低くなるというように、季節によっても異なりますし、ストレスや睡眠不足などの原因がある場合にも、平常時とは変わってきます。
だからこそ、どんなときに自分の血圧が高くなるのかなど、普段の血圧の動きを把握しておくことが重要です。自宅に血圧計を常備して継続的に血圧のチェックを行い、年間を通してデータを記録しておくことが大切です。
40~50代の女性では、血圧の上昇が脳出血に直結するということはありません。しかし高血圧の状態が、血管にとって大きなダメージとして残ることは確かです。そしてそのダメージが、70歳を過ぎてからの動脈硬化性疾患の発症リスクを高くしてしまいます。生活習慣病のなかで、自分で注意してコントロールできるのは脳卒中や心筋梗塞といった動脈硬化性の疾患だけですから、血圧の動きを日常的に確認しておくことには大きな意味があります。
性差医療の考え方では、メノポは女性の健康にとっての大きな転換点になります。だからこそ、メノポを第二の人生のスタートと考え、それを機に身長・体重や基礎体温、そして血圧など、自分の健康データを全体的にチェックしておくこと、そして女性の健康のサイクルやメノポ後の体に起こる変化についての正しい情報を持つことが必要です。
最近では、女性外来を設ける医療機関の数も増え、女性特有の体の変化を考慮したうえで、相談にのってくれる医師も増えています。しかし健康は、あくまでも自分自身で管理し、守っていくことが第一です。
特に血圧は、採血などの手間がいらず、日々測定できる重要な指標。血圧測定は、多くの女性の健やかな未来に向けた第一歩になるはずです。

女性の高血圧症有病者の比率

高血圧症の有病者比率を見ると、女性ではメノポ(更年期)を境に急激に比率が上昇。若いころ低血圧だった女性が、更年期後、知らないうちに高血圧になっている場合も多い。
(データ:平成18年国民健康・栄養調査より)

家庭での血圧の測り方

(データ:日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2009より引用、改変)
病院で測る血圧が家庭で測る血圧より高くなる「白衣高血圧」や、病院で測る血圧は正常なのに家庭で測った血圧が高くなる「仮面高血圧」、「早朝高血圧」などを見逃さないためにも、家庭での血圧測定が重要になる。

家庭血圧の高血圧基準

(日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2009より)

家庭血圧の降圧目標

(日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2009より)